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福井の映画館で「こども映画教室」 地元出身俳優・中村優子さんゲスト講師に

スクリーンに投影された「おこんじょうるり」を見ながらアフレコに挑戦する参加者。中村さん(写真右)も鼓を手に参加した

スクリーンに投影された「おこんじょうるり」を見ながらアフレコに挑戦する参加者。中村さん(写真右)も鼓を手に参加した

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 「こども映画教室ミニシアター・ツアー@福井メトロ劇場2021」が12月11日、福井市の映画館「メトロ劇場」(福井市順化1)で行われた。

インタビューに応える中村さん。同館では2022年2月、中村さん出演の韓日合同作品「ユンヒへ」の公開を予定する

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 「『こどもと映画のアカルイミライ』を目指すこと」をミッションに、映画・映像関連のワークショップなどを行う一般社団法人「こども映画教室」(東京都世田谷区)の活動の一環。小・中・高生を対象に受講者を募集し、ホームページなどでの呼び掛けに応じた親子計24人が参加した。

 イベントは13時30分に始まり、ゲスト講師の俳優・中村優子さん(福井市出身)と同館の根岸佳代支配人とのトークショー、1982(昭和57)年制作のアニメーション作品「おこんじょうるり」(岡本忠成監督)の上映、映画作りに挑戦するワークショップなど、約4時間のプログラムで展開した。

 ワークショップはアイスブレークを兼ねたミニゲーム、上映作の中で一番心に残ったシーンを付せんに書き付けるディスカッション、全身を使った発声練習、作品のアフレコなどで構成。子どもたちは「声を当てる機会はめったになく、楽しい経験ができた」「録音した声が自分の声ではないみたいで驚いた」と振り返った。

 ゲスト講師の中村さんは1975(昭和50)年生まれ。藤島高(文京2)卒業後、東京外国語大を経て俳優デビューし、映画「火垂(ほたる)」「ストロベリーショートケイクス」「海街diary」、NHK連続テレビ小説「どんど晴れ」「カーネーション」、大手企業のCMなど多方面で活躍する。

 中村さんが「こども映画教室」に関わるようになったきっかけは、所属事務所の先輩である渡辺真起子さんらが発起人として名を連ねる映画館応援プロジェクト「ミニシアターパーク」だった。

 「新型コロナ禍に苦労しているミニシアターを応援するリレー形式の動画に参加し、地元のメトロ劇場の名前をせりふのように語った」のを、同法人の土肥悦子代表が目にした。金沢市の映画館「シネモンド」代表でもある土肥さんが同教室の北陸ツアーを企画するに当たり、中村さんにゲストの声が掛かったという。

 内容に関する細かな指定はなく、「福井の子どもたちは恥ずかしがり屋だと想像して、こちらから輪に飛び込むようなテンションで距離を詰めようと考えた」。子どもたちなりのやり方を尊重しながらワークショップを進め、自身も得意の鼓を手にアフレコに参加するなど、共に楽しむ姿勢で指導に当たった。

 宮崎駿作品の大ファンで、「子どものころ毎日のように見ていた『風の谷のナウシカ』のせりふは今でも暗唱できるほど」と話す中村さん。アニメーションを題材にしたワークショップは、自身にとっても貴重な1日だったという。

 「アフレコの出来に納得せず泣き出しそうな子どももいたことが印象的だった。自分たちが作ったものに対して『納得できない』という感情を抱けることが素晴らしく、私にとっても刺激に満ちた時間だった」と感謝を込める。

 同劇場では12月18日から、同作品を含むアートアニメーション作品を上映する「パペット・カルト・アニメ特集」を行う。31日まで。

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