福井のクラフトビール「若狭ビール」の再生プロジェクトが現在、進んでいる。
美浜町のビール醸造所「若狭シーサイドブルワリー」が手がけていた同商品は、1997(平成9)年に製造が始まった福井県初の地ビール。昨年8月、事業を展開していたドライブイン「千鳥苑(ちどりえん)」が破産手続きの開始決定を受けた後、滋賀県長浜市の「長濱浪漫(ながはまろまん)ビール」が事業譲渡先として名乗りを上げた。
同社取締役の今井洋一さんは「若狭ビールの歴史や文化を途絶えさせずに未来へつないでいくことは、同じく地域に根差したクラフトビールメーカーである当社として大きな意義があると考え、事業譲渡へ至った」と説明する。
同社が醸造設備の修復や整備などを始めたところ、醸造タンクの撹拌(かくはん)機モーターのオイル漏れ、発酵タンク、貯酒タンク冷却ユニット、原料のモルトを破砕する設備などの経年劣化が見つかった。それらの不具合を解消した上で製造に取り組むことになるという。
今井さんは「若狭ビールの特徴は、海鮮料理をはじめとする地元の食との相性を大切にした優しい味わい。今後もこのコンセプトを大切にしつつ長濱浪漫ビールの要素を加え、クラフトビールらしい力強さや奥行きのある味わいを加えることができれば」と話す。
拡販に当たっては同社が蓄積してきた販売資源を活用し、福井、滋賀両県を中心に、観光施設、土産物店、飲食店、イベント出店などへの展開を予定する。同社が手がけるウイスキーブランド「長濱蒸溜(じょうりゅう)所」で培った、発酵、たる熟成、品質管理などの知見を生かした商品開発にも取り組むという。