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「イッチョライ節」テーマの映画、上映へ 福井出身の監督、幸せの形銀幕に

「いっちょらい」のワンシーン

「いっちょらい」のワンシーン

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 福井の民謡「イッチョライ節」を題材にした映画が7月1日、メトロ劇場(福井市順化1)で公開される。

インタビューに応じる片山さん。監督作では一貫して、「幸せとは何か」と問う

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 タイトルは「いっちょらい」で、映画監督で俳優の片山享さん(鯖江市出身)が手がけた。病に倒れた父の跡を不本意ながらに継いだ中華料理店主の機微を、周りの商店主ら地元の人たちとの交流と共につづる作品で、福井駅西の新栄商店街などオール福井ロケで製作した。

 主人公・テツヤを演じるのは、片山さんと知己の間柄という俳優・松林慎司さん(山口県出身)。テツヤの父を演じる山田昭二さん(鯖江市出身)、商店街の古書店主にふんする窪瀬環さん(勝山市出身)ら、福井ゆかりの俳優陣も出演する。

 製作のきっかけは、福井駅西の映画館を会場に行われる「福井駅前短編映画祭」関連イベントの「ふくいムービーハッカソン」。俳優の津田寛治さん(福井市出身)が一般市民と共に映画を製作するイベントで、片山さんはその試みに触発されたという。

 「以前から映画を撮りたいと考えていたところ、ものづくりにかける福井の人たちの熱意に圧倒される出来事に遭遇した。私にもその血が流れていると確信し、『私にしか描けない福井』を映画にしようと思い立った」と片山さん。福井にちなんで「イッチョライ節」を取り上げ、2017(平成29)年、短編「いっちょらい」として発表した。

 短編の脚本を全面的に書き直したセルフリメーク作。福井弁で「一張羅」を指す「いっちょらい」に、人生における理想的な幸せの形を重ねてストーリーをつづった。片山さんは「テツヤは不本意な人生を送りながらも幸せになることを諦めていない人物。思い通りにいかないことを無理に乗り越えず、そのまま前に進めばいいのではというメッセージを彼の生きざまに託した」と話す。

 「イッチョライ節」は1962(昭和37)年、福井県置県80年と、同年の北陸トンネル開通を記念して作られた民謡。片山さんは「福井の名所を盛り込んだ『イッチョライ節』からは高度経済成長期の勢いも感じる。福井の劇場で大音量で聴ける機会はまれで、映画を見てくれる人たちの幸せの応援歌となればうれしい」と話す。

 公開に合わせて7月1日・2日、同館で片山さんが舞台あいさつを行う。登壇は、1日=19時10分~、2日=13時~。

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