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福井の「汐うに」老舗が新商品 「うにアヒージョ」で若年層掘り起こしへ

商品を手にする天野社長

商品を手にする天野社長

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 福井市のウニ加工品製造販売「天たつ」(順化2)が10月1日、新商品「雲丹(うに)のアヒージョ」の販売を始めた。

バゲットと合わせた調理例。友人や家族とシェアして新しい食の感動を共有する場面をイメージして開発したという

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 1804年創業で、このわた、からすみと並ぶ日本三大珍味の一つという「越前仕立て汐(しお)うに」を初めて製造したとされる同社の新商品。昨年、北陸新幹線福井・敦賀開業を見据えて福井市が募集した「福いいネ!お土産品開発プロジェクト」に応じ、約1年半かけて開発に取り組んだという。

 汐うには、原料であるバフンウニの卵巣に塩を施し水分を抜いて作る加工食品で、100グラム作るのに100個以上のバフンウニが必要という。社長の天野準一さんは「県外の人には福井の海の幸といえば越前がにのイメージが強いのでは。ウニ加工品の中でも福井独特の汐うにを、より広い層に楽しんでもらえればと開発した」と話す。

 瓶詰めで販売。瓶の大きさは、直径=5.5センチ、高さ=4.8センチ。内容量は、汐うに=20グラム、オイル=15グラムの合わせて35グラム。汐うにを仕込む際にウニからしみ出す「うに塩」も加えて漬け込み、ガーリックのうまみと汐うに独特の甘みのバランスを取ったという。

 主な購買ターゲットとして20代から30代の若年層を想定し、パン、パスタ、ワインなど、洋食や洋酒と合わせる楽しみ方を提案。未開封で120日間の常温保存ができ、土産品として持ち運ぶ際の利便性も訴求する。常温販売できる利点を生かし、酒販店や土産物店など新たな販路の開拓にもつなげる予定という。

 「オイルを含んだ汐うにの食感をどう保つかなどノウハウの構築にずいぶん苦労した。開発を通して学んだことも多く、汐うにの奥深さを改めて実感した」と天野さん。「年末商戦に差しかかる時期の販売開始でもあり、歳暮向け商品としても注目してもらえれば」と期待を寄せる。

 価格は3,996円。同社片町本店、JR福井駅プリズム福井店、ネットショップで販売する。

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