暮らす・働く

敦賀の老舗コーヒー専門店、大会4連覇 家族で抽出技術日本一つなぐ

トロフィーを手にする千香子さん(左)、夫の和雄さん

トロフィーを手にする千香子さん(左)、夫の和雄さん

 敦賀市のコーヒー専門店「新田珈琲」(本町1)の新田千香子さんが10月16日、コーヒーの抽出技術を競う全国大会で優勝した。

同大会決勝で、審査員の前で抽出する千香子さん(中央)。千香子さんは、コーヒーの味の違いを見分ける「ジャパンカップテイスターズチャンピオンシップ」での優勝経験もある

[広告]

 大会は「ジャパンハンドドリップチャンピオンシップ2026」と題したコンテストで、日本スペシャルティコーヒー協会(東京都)が主催。同店からは2023年と2024年に千香子さんの夫で同店3代目の和雄さん、2025年に長女の衣祥(いぶき)さんが優勝していて、家族3人による4年連続の日本一は大会初という。

 224人が参加した予選を経て、東京ビッグサイトでの決勝に14人が進出した。決勝では、当日発表される豆で抽出する「ドリップ競技」と、事前に渡された課題豆の特徴を紹介しながらコーヒーを入れる「フリー競技」を実施。審査員が、コーヒーの味わい、抽出技術、プレゼンテーションの内容などを審査した。

 フリー競技に臨むに当たり、千香子さんは同じ品種の豆の大きさで味わいが異なることに着目。大粒と小粒、それぞれの豆から感じた酸味や甘さの違いを踏まえ、粉の量、ひき方、抽出時の湯温調整などを考案した。千香子さんによると、「審査員からは検証内容と抽出方法の説明が分かりやすかったという講評を受けた」という。

 千香子さんは2016(平成28)年に同大会に初出場し、2017(平成29)年と2019年に全国3位となった。大会に挑む原動力について、千香子さんは「競技に向き合うことで、本で読んだ知識だけではない『自分の言葉』で接客ができる。家でおいしいコーヒーを入れてもらうためのアドバイスができるのが大きい」と話す。

 かつては紅茶派だった千香子さんだったが、和雄さんとの結婚を機にコーヒーに関する知識や技術を学び始めた。「県内の同業者を訪問した時に大会のことを知ったのが挑戦のきっかけ。入賞者に贈られる(コーヒー豆を入れる)麻袋製のぬいぐるみを娘が欲しがったことも参加の後押しになった。結果的に娘の方が先に優勝してしまったけれど」と冗談めかして笑う。

 今回は1940(昭和15)年創業の同店4連覇が懸かる大会で、千香子さんが感じたプレッシャーも相当なものだったという。「プレゼンテーションのテーマがなかなか決まらなかったのが一番こたえた。8、9回テーマを変えて原稿が出来たのが本番4日前。そこからは寝る間も惜しんで練習した」と明かす。

 焙煎(ばいせん)に関する知識や技術の習得にも意欲をのぞかせる千香子さん。「大会に参加して全国の競技者と知り合うことができ多くの刺激をもらった。地方に最新のコーヒー情報を持ち帰ってお客さんに伝えられることにつながるのが大きな収穫だった」と振り返る。