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「ふくいワインカレッジ」発祥の地ワイン 地元NPO、障がい者就労支援で

発表会で記念撮影に応じる、林さん(左)と福井県農林水産部長の児玉康英さん(右)

発表会で記念撮影に応じる、林さん(左)と福井県農林水産部長の児玉康英さん(右)

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 福井県あわら市のNPO法人「ピアファーム」(あわら市波松)が3月21日、福井県産ブドウを使った「ピアファームの赤ワイン」の販売を始めた。

「ピアファームの赤ワイン」のボトル。手前が375ミリリットル入り、奥が750ミリリットル入り

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 福井県が2018(平成30)年から、県産ワインの醸造など農村活性化を目的に開講している「ふくいワインカレッジ」発祥の初のワイン。障がい者福祉事業などを手がける同NPOが、大野市の「白山やまぶどうワイン(白山ワイナリー)」、福井県坂井農林事務所などの協力を得て販売にこぎ着けた。

 「さりげなく あたりまえに はたらく」を掲げ、果樹栽培など農業に特化した就労継続支援B型事業を行う同NPO。理事長で同カレッジ1期生の林博文さんによると、2014(平成26)年、自社ブランドのワイン販売も視野に、生食用・醸造用いずれにも適するというブドウ品種「マスカットベリーA」の栽培を始めたという。

 ワイン製造に当たり、昨秋、自社農場で育てたマスカットベリーA約1トンを収穫し、白山やまぶどうワインに納入。同品種のみを使い、750ミリリットル入り、375ミリリットル入り各1000本分を醸造した。アルコール度数は11.5%。福井県産ブドウを85%以上使うなど国税庁が定める基準を満たしていることから、産地を冠した「ふくいワイン」をうたう。

 「あわら温泉 美松」(あわら市舟津)で行った発表会で、林さんは「障がいのある人たちが除草やブドウの房の管理などに力を注いでくれ、栽培過程ではブドウそのものに育て方を教わるような場面もあった。多くの人たちにこのワインを楽しんでもらい、障がい者の賃金向上につなげていきたい」とあいさつした。

 発表会では一般参加による試飲会もあり、参加者約20人が県産食材を使った料理とのマリアージュを楽しんだ。坂井市在住の40代女性は「ロゼのような透明感なのに濃厚なコクもあり驚いた」、福井市から参加したという30代女性は「淡泊な味わいの料理にも合う赤ワインで、商品の今後の展開が楽しみ」と笑顔を見せた。

 価格は、750ミリリットル入り=2,695円、375ミリリットル入り=1,485円。「観光ぶどう農園あわらベルジェ」(あわら市波松)で販売し、今後、同NPOネットショップ、道の駅などへの展開も予定する。

 同カレッジは福井県内でワイン生産を目指す人や、ワインの知識を深めたい県内在住者などを対象に開講。専用農場の栽培実習や、ワイナリーでの醸造実習などを行う「実践コース」(2年間)と、ワインの知識習得講座などを行う「教養コース」(1年間)の2つで構成する。

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