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福井出身の川崎和男さん、地元で講演会 「生命のためのデザイン」呼び掛け

福井出身の川崎和男さん、地元で講演会 「生命のためのデザイン」呼び掛け

音響機器のデザインを手掛けた経験から「次世代のデザイナーに『いい音』も伝えたい」とも応えた川崎さん

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 福井駅西口にある複合施設「ハピリン」(福井市中央1)3階の「ハピリンホール」で3月10日、デザインディレクター・川崎和男さんの講演会「拡大するデザイン領域」が行われた。

昨年7月に同大が発表した深紫外線殺菌装置。短い波長を持つ紫外線を用い、グリップを握るだけで殺菌消毒を可能にする

 川崎さんは1949(昭和24)年、福井市生まれ。越前打刃物ブランド「タケフナイフビレッジ」設立や、「鯖江市立インテリジェントデザイン講座」の講師などに携わったほか、グッドデザイン賞審査委員長などの委員歴、国内外での受賞歴・美術館への作品収蔵歴なども多く持つ。現在は大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻の特任教授も務める。

 講演会は、福井市、第3セクター「まちづくり福井」(中央1)、仁愛女子短期大学(天池町)生活デザイン専攻の3者が主催した。川崎さんによると「医学系の学会などでない一般向けの講演会を福井で行うのは久しぶり」で、フライヤーやSNSなどで開催を知ったという学生やデザイナーなど約160人が会場に詰め掛けた。

 18時30分に始まった講演会で「中学時代は紙とペンだけでどんな世界でも描ける小説家になりたかった」と切り出した川崎さん。「父親が厳しく大学の医学部を志望したが、浪人中、浅丘ルリ子さんを描いた横尾忠則さんのイラストに衝撃を受け美術系にくら替え。小説を書くより楽だと思っていたのに、とんでもなく絵がうまい学生が多く苦労した」と明かし笑いを誘った。

 話題はその後、東日本大震災を機に川崎さんが提唱する危機解決学構築のためのデザイン実務「コンシリエンスデザイン」へ。「私が学生だったころのデザインは産業支援を目的としていたが、今やデザインは健康や生命など人が生き延びるための存在となっている。単に形ある物を作るだけでなく制度設計を含めた考え方が必要」と呼び掛けた。

 「デザインは単なるデコレーションではない。問題解決・価値創出・未来創成の3要素を満たすことが重要で『明日をいい世界にする』という思想が欠かせない」とも。コンシリエンスデザインに基づく実例として、ジェル状の殺菌剤を使わない「深紫外線殺菌装置」や、スマホアプリで操作できる褥瘡(じょくそう)防止用の「自動体位変換ユニット」なども紹介した。

 トークは次第に熱を帯び、予定を大幅に超えた20時30分過ぎに終了。講演を終えた川崎さんは編集部のインタビューに「東京オリンピック以降の世の中の在り方に不安を持っており、2020年以降の社会を誰がどう設計するかが鍵になると考える。福井においても北陸新幹線の通し方や通した後の受け入れ方、地域資源としての恐竜の活用など有意義な議論を重ねてもらえれば」と応えた。

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