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「羽毛恐竜」テーマのガイド本出版 福井ゆかりの研究者ら執筆

「すばしこい略奪者」を意味するというヴェロキラプトルが描かれた表紙

「すばしこい略奪者」を意味するというヴェロキラプトルが描かれた表紙

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 福井ゆかりの研究者らが執筆した恐竜解説書「BIRDER SPECIAL(バーダースペシャル) 羽毛恐竜完全ガイド」が3月14日、文一総合出版(東京都新宿区)から出版された。

同書の誌面より。全身だけでなく手足のパーツなども精緻なイラストと共に紹介する

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 恐竜を研究する専門家の間でホットな話題の一つとなっている「羽毛恐竜」に焦点を当てた解説書。鳥と恐竜との相違点、羽毛が生えるまでの過程、羽毛恐竜の色、鳥の形の進化など、現在も研究が進むテーマを含めた話題を広く網羅した。

 「恐竜王国福井」にまつわるコンテンツもあり、福井県内で発掘された恐竜化石の中から羽毛恐竜に関連する「フクイベナートル」「フクイプテリクス」を取り上げた。CTスキャナーでデジタル化した骨格を組み上げる研究による新たな成果や、「羽毛恐竜に出合える博物館」として福井県立恐竜博物館の案内なども盛り込んだ。

 執筆者は総勢15人。福井市出身でNHKラジオ「子ども科学電話相談」にも出演する北海道大総合博物館教授の小林快次さん、福井県立大恐竜学研究所准教授の河辺壮一郎さんら、福井ゆかりの研究者も名を連ねる。

 編集担当の中村友洋さんは「多様な恐竜がいる中で扱う題材をあえて羽毛恐竜に絞り、密度の濃い情報を掲載した本となった。執筆者が全て日本人研究者というのも特徴で、巻末の一覧を見ると、それぞれの執筆者がどこでどんな形で恐竜に関わっているのか分かるようになっている」と話す。

 福井では、今夏予定の恐竜博物館リニューアル開業、2025年春予定の福井県立大恐竜学部(仮称)開設など、恐竜王国福井に関する話題が続く。中村さんは「福井での動きに代表されるように、世界最先端の恐竜研究を日本でできる環境が現実になっている。子どもたちが望む恐竜研究の場を調べる資料としても本書を活用してもらえれば」と薦める。

 仕様はB5判、104ページ。価格は2,750円。

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