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福井の映画館で韓国映画「ユンヒへ」公開へ 福井出身・中村優子さん舞台あいさつも

同作品より、中村さん出演のワンシーン。「生涯忘れないであろう大切な作品の一つ」と振り返る ©2019 FILM RUN and LITTLE BIG PICTURES. ALLRIGHTS RESERVED.

同作品より、中村さん出演のワンシーン。「生涯忘れないであろう大切な作品の一つ」と振り返る ©2019 FILM RUN and LITTLE BIG PICTURES. ALLRIGHTS RESERVED.

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 福井市の映画館「メトロ劇場」(順化1)で2月5日、韓国映画「ユンヒへ」の上映が始まる。

同作品のワンシーンより。ジュンからの手紙をきっかけに、ユンヒは娘のセボムと共に小樽を訪れる ©2019 FILM RUN and LITTLE BIG PICTURES. ALLRIGHTS RESERVED.

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 韓国で暮らすシングルマザーのユンヒと、長い間連絡を絶っていた日本人女性ジュン、女性2人の間の愛を穏やかなタッチでつづるラブストーリー。2020年、韓国のアカデミー賞ともされる「青龍映画賞」で監督賞と脚本賞をダブル受賞した作品で、キーパーソンのジュンを福井市出身の俳優・中村優子さんが演じる。

 中村さんによると、監督のイム・デヒョンさんからオファーがあったのは2018(平成30)年の初めごろ。普段は声掛けがあっても「一晩寝かせてよく考える慎重派」という中村さんだったが、渡された脚本を読み「居ても立ってもいられなくなる思いに駆られた」という。

 「だいぶ夜が更けた時間だったが、『絶対にこの役をやりたい』という熱い思いをマネジャーにメールしたところ、マネジャーが機転を利かせてそのまま監督に転送してくれた。ほどなく監督から『脚本を愛して理解してくれている』と返信があり、『やった、気持ちが届いた』とうれしくなった」と振り返る。

 映画監督の岩井俊二さんが手掛けた「Love Letter」に触発されたという本作。「Love Letter」の舞台でもある北海道小樽市がロケ地の一つとなり、「水分の多い福井の雪とは雪の質が違った」(中村さん)という雪景色の中、ユンヒやジュンの心の機微がカメラに収められた。韓国人スタッフとのコミュニケーションには何の隔たりもなかったという。

 「人間の根幹で大切にすべきことについては脚本を通して共鳴していたので、吸い付くように監督の言っていることが理解できた。監督から『私がイメージしているとおりに動いてくれて不思議だ』と言われたこともあった。チームメンバーの情熱と礼儀正しさ、互いをリスペクトし合う様子なども印象に残っている」と中村さん。

 撮影は終始穏やかな雰囲気で進行したといい、福井の映画ファンに「現場の空気をスクリーン全体から感じてもらえるのでは」と呼び掛け、「福井の人はよく『アピールが苦手』とも言われるが、その心の奥底には言葉には表せないコミュニケーションの温かさがある。作品の世界が福井の人たちにもきっと伝わるはず」と話す。

 同劇場での公開に先立ち作品は、東京など大都市では中村さんの誕生日の1月7日に封切られた。「出演作が誕生日に公開されたのは初めてで、運命の出合いといえる作品。地元の映画館で上映してもらえるのはとてもうれしく、感謝したい」と笑顔を見せる。

 上映は2月18日まで。2月5日16時15分の回の上映後、中村さんによる舞台あいさつを予定する。

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