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シソ風味のサイダー好調-福井の生産農家、伝統野菜使い製造

ラベルは同組合の組合員が1本ずつ手貼りする

ラベルは同組合の組合員が1本ずつ手貼りする

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 福井市内にある有限責任事業組合「ちそのかほり」(福井市木田2)が6月20日に発売した「木田ちそサイダー」が好調な売れ行きを見せている。

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 同組合は同市の伝統野菜「木田チリメンジソ(木田ちそ)」の生産農家8世帯で構成。同市木田地区にある約0.6ヘクタールの畑で、主に梅干し向けのシソを栽培・出荷する。「ちそ」は福井の方言でシソを指し、同地区では「赤ちそ」「赤っちょ」とも呼ばれる。

 ほのかなシソ風味の同商品は、甘さ控えめで微炭酸。発売1カ月でおよそ8000本が売れた。組合長の加藤秀次さんは「想像以上の売れ行き。当初の予定は5000本だったが、メーカーさんの勧めで多めに作って良かった」と笑みをこぼす。食前酒代わりに同商品を使うレストランもあるという。

 開発の背景にはシソ需要の低下があった。「梅干しを漬ける家庭が少なくなり、ちそが売れなくなった。作付面積も30年前に比べて5分の1ほど。付加価値がないと生き残れないと考えた」(加藤さん)。農林水産業の6次産業化を進める県の呼び掛けもあり、およそ1年掛けて商品化にこぎ着けた。

 調合や瓶詰めなど、サイダーの製造では同市内にある飲料メーカーの協力を得た。試作では「木田ちその色と風味をいかに保つか」がポイントだった。加藤さんは「薄かったり濃すぎたり、思い通りの色がなかなか出なかった。シソエキスなら大丈夫かと思ったら、熱処理で風味が飛んでしまった」と苦労を振り返る。

 最終的に「収穫したてのシソの葉を飲料メーカーに直送、翌日製造」という態勢を整えた。しかし「木田ちそ」の旬は6月~7月のため同商品も期間限定生産となる。初回製造の1万本を完売した時点で、来シーズンまでお預けだ。

 250グラム入り。価格はオープン。JA農産物直売所「喜ね舎(きねや)愛菜館」(河増町)、福井県民生協のスーパー「ハーツ」などで扱う。

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