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福井大にサイバー防犯ユニット「サイバニクス」 女子学生4人、オリジナル曲も

イベントで防犯を呼び掛ける同ユニットのメンバー

イベントで防犯を呼び掛ける同ユニットのメンバー

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 福井大(福井市文京3)教育地域科学部の学生4人が現在、サイバー防犯ボランティアユニット「Psybernics(サイバニクス)」の活動を行っている。

左から、吉村さん、西永さん、大久保さん。ポスターのイラストは西永さんがスマホアプリで描いたという

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 同学部地域科学課程3年の大久保遥さん・吉村友初さん・西永恭子さん・三好結月さんの4人で構成する同ユニット。5月に福井県警からサイバー防犯ボランティアの委嘱を受け、8月下旬、福井市内で行われたイベント「第6回 警察ふれあいフェスタ」で初披露となった。

 同県警は2014年から、県内の大学などと同ボランティアの取り組みを行っており、同学部は同ユニットの活動を正式科目「地域課題ワークショップ」の一つと位置付ける。岸俊行准教授は「ワークショップは地域の諸問題をテーマに4年間通じて段階的に行う授業。近年社会問題化しているサイバー犯罪をテーマにした4人の取り組みは異色では」と話す。

 同大の学部再編に伴い、メンバーの学年をもって同学部が終了する。広報担当の吉村さんは「4人でワークショップのテーマを話し合う中で、岸先生から防犯ボランティアの話を聞き興味が湧いた。教育地域科学部最後の学生でもあり、せっかくやるなら今までに無かったテーマで取り組めればとも考えた」と振り返る。

 「認知度向上につながれば」とユニット名を付けることを決め、「サイバー」や心理学などに関係する「Psy」のつづりなどを組み合わせた。「『サイバニクス』という響きが好きで『Cybernics』という名前を考えたが、先行事例があり『Psy』を盛り込むことにした。岸先生の専門が教育心理学でゼミとの親和性もあると考えた」と吉村さん。

 同ユニットは同県警サイバー犯罪対策室と連携し協働活動しており、8月のイベントではメンバーがアイデアを出し合った防犯啓発ポスターも掲示した。デザインを担当したのは「ポスター制作で初めて(画像加工ソフトの)『フォトショップ』を使った」という西永さん。位置情報付き画像のアップロードが個人情報特定につながることや、スマホアプリのセキュリティー見直しを促すことなど、メンバーが見聞きした出来事をアイデアに生かした。

 「自分たちと同じ世代に防犯意識向上を訴えたい」とオリジナル楽曲制作にも取り組む。楽曲は、音楽サークルに所属する三好さんが「AKB48や欅坂46など口ずさみやすく耳に残りやすいメロディー」を研究してDTM(デスクトップ・ミュージック)で制作。西永さんが書いたストーリーを基に全員で歌詞を考えている段階という。

 ドラマ仕立てのミュージックビデオ制作も予定し、動画共有サイトでの再生回数1万回を目標に掲げる。リーダーの大久保さんは「ユニットの活動をきっかけにサイバー犯罪の実例を学ぶ機会が増えた。犯罪の危険性を十分に知らないという点で同世代の人たちとあまり変わりは無く、活動を通じて得た知識や経験を啓発につなげていければ」と話す。

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