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福井・鯖江で「つむぐアート展」 アール・ブリュットの作品40点展示

肢体障がいを持つ生徒が描いた作品。筆を走らせる代わりに紙を傾けて線を描き、色付けしたという

肢体障がいを持つ生徒が描いた作品。筆を走らせる代わりに紙を傾けて線を描き、色付けしたという

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 福井県鯖江市の「ギャラリー新」(鯖江市本町3、TEL 0778-51-2800)で4月9日、「つむぐアート展」が始まる。

「ご縁市」で販売予定のポストカードを手にする東野さん。「自分が好きな本を誰かに勧めるように」展示作品を決めたという

 「福井で福祉とアートの可能性を広げる」をテーマに活動するグループ「TSUMUGU ART PROJECT」が企画する同展。正規の美術教育・指導を受けていない人や、障がいを抱えるアーティストの芸術などを指す「アール・ブリュット」の作品約40点を展示する。

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 同グループ代表の東野佳奈さんは、武生高(越前市八幡1)から都内の大学を経てUターンし、福井デザイン専門学校(福井市春山2)への社会人入学でデザインを学んだ。「卒業後も継続できる活動をと、グループ立ち上げ自体を卒業制作に据えた。親類にろうあ者がいて、10代のころから福祉ボランティアに関わっていたのがきっかけ」と話す。

 展覧会の立案は初めてで、手探りで作った企画書を携え福井県内の特別支援学校や福祉施設を回ったという。「学生として訪問できたことも幸いし、特に学校の美術の先生が好反応を示してくれた」。在学中は企業と連携した商品企画の課題もあったといい、「課題制作で培ったコミュニケーション術が交渉の場で役立った」とも。

 一番の苦労は「交渉でなく作品の借り出し」だったと東野さん。「卒業制作展でプロジェクトの概要を示すため、いったん作品を借りる必要があった。企画書段階では気分が高揚して分からなかった。作品の慎重な取り扱いを意識し身が引き締まった」と振り返る。

 専門学校で知り合った特別支援学校出身の友人と準備を進める。グループ名には「もやもやした夢や言葉をつなぎ一つの形を生み出す姿」を重ねた。東野さんは「作品ににじむ『誰かとコミュニケーションしたい』という思いに心動かされる。作品を通じて多くの人々と『対話』してもらえれば」と呼び掛ける。

 関連イベントとして12日、会場近くの本町商店街で開く「ご縁市」でポストカードなどアートグッズの販売を予定する。

 開場時間は、10時~17時。入場無料。12日まで。

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