NTT西日本など11社が共同出資する新会社「Actibase(アクティベース)ふくい」の設立発表会が2月3日、福井市内で行われた。
持続可能な地域観光の実現に向け、NTT西日本グループが展開する「観光流通プラットフォーム」の取り組みの一環。新会社の主な事業内容は、福井県坂井市の「三国湊(みなと)」エリアを拠点に、町家をリノベーションしたホテル事業やレストラン事業など。
共同出資企業の、NTT西日本、NTTアーバンソリューションズ、熊谷組、住友林業、福井銀行、福井信用金庫、セーレン、福井新聞社、福井放送、フクビ化学工業、北陸電力の11社では今後、2024年春の北陸新幹線福井・敦賀開業に向け、連携を図りながら情報通信技術などを活用した地域観光の活性化に取り組む。
事業開始は2024年1月の予定。フレンチレストラン事業、分散・滞在型のホテル事業、三国の歴史・文化・自然などを体験できるアクティビティー事業、自治体と連携した街並み等整備事業を柱に据える。
レストラン事業では、日・仏のミシュランガイドで一つ星を獲得した鹿児島県出身のシェフ・吉野建さんを招き、福井や三国湊の地域食材を生かしたメニューを提供する。
ホテル事業では、ホテルのフロントとなる旧NTT三国局舎(坂井市三国町南本町)の半径約500メートル内に10棟、計18室の客室を設ける。町家改装には、三国湊の伝統的建築「かぐら建て町家」、福井産の「笏谷(しゃくだに)石」などを取り入れ、レストランと合わせ、エリア全体を一つの宿に見立てた「オーベルジュ運営」を行う。
吉野さんは「私の新たな成長につながりそうな、水も米も野菜もおいしい三国湊での仕事。スタッフと共にお客さまに喜んでもらえる料理やサービスを提供したい」と意気込む。
池田禎孝・坂井市長は「大きなプロジェクトが三国湊で始まり喜ばしい。坂井市では2021年、(市内の東尋坊を核とした誘客向上構想の)『三国グランドビジョン』を策定しており、三国湊エリアと連携して日本を代表するインバウンドゾーンになれたら」と期待を寄せる。