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福井で民俗音楽パフォーマンス「田治の音を探ろう」

リハーサルに精を出す「花山権現太鼓」のメンバー

リハーサルに精を出す「花山権現太鼓」のメンバー

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 福井市東部の東郷地区で11月2日、音楽パフォーマンス「田治の音を探ろう」が開かれる。

「古代は海だった」との言い伝えも残る田治地域の風景

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 同地区で活動する田治地域協議会が、田治ふれあい会館(福井市深見町)での「花と食と音のアートフェア」の一環として開く。東京都在住の作曲家・プロデューサー樅山智子さんを招き、田治地域全体を舞台とした音楽パフォーマンスを行う。

 樅山さんは福井市生まれ。米スタンフォード大学で作曲と文化心理学を二重専攻した。卒業後は世界各地の民俗音楽を探究し、国内外のさまざまなコミュニティーと共同プロジェクトを実施。その成果を、コンサートやインスタレーション、演劇などで発表している。「ザルツブルグ・グローバル・セミナー・フェローシップ」(オーストリア)など受賞歴も多い。

 樅山さんは、同協議会の呼び掛けに応じ今年9月から同地域に滞在。年配者への取材や子どもたちとの創作楽器づくりを通じて「田治の音の姿」を探った。「初訪問で地域を歩き、風の気持ち良さや、遠くで響く子どもたちの笑い声に感動した。土地の文化や歴史を音楽に翻訳するアプローチでなく、田治の魅力を体験するプロジェクトにすることを決めた」

 福井三低山の一つである熊野山と、向かいの槙山に挟まれた同地域。当日は、地元の「花山権現太鼓」メンバーが両山に分かれて太鼓を披露。集会所でのマリンバ演奏や、寺での創作楽器の演奏も同時多発的に絡む。樅山さんは「地域全体をコンサート会場とした作品。地元の語り部や植物学者のガイドに耳を傾けながら田んぼを横切り、田治の音のアンサンブルを体感してほしい」と楽しみ方を指南する。

 過去の国内プロジェクトは都市部が多かったという樅山さん。「地域の人同士が互いに得意分野を知っていたり、交渉事が通りやすかったりして、都会にない地域共同体の良さを感じた。一見煩わしい人間関係かもしれないが、地域の課題をみんなで解決するのはすてきなこと。今後のコミュニティーのあり方を考える上で大切な視点では」と話す。

 同日10時から、熊野山への花の植え付け、同地区の農産品を使ったスイーツの試食会、新米コシヒカリのおにぎり配布なども予定する。

 開演は13時30分。参加無料。事前申し込みが必要。

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