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福井・丸岡高、部活動で外国人向けマップ制作 オープンストリートマップ活用で

國神神社での現地調査の様子

國神神社での現地調査の様子

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 丸岡高校(坂井市丸岡町)の生徒が現在、外国人留学生向けおもてなしマップの制作に取り組んでいる。

OSMの画面に向かい、現地調査した情報を追加するESS部の生徒

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 制作を進めているのは同校ESS部のマップ班を中心とするメンバー。無償利用できるインターネット上の地図「オープンストリートマップ(以下、OSM)」を活用し、丸岡城(同)を中心とするエリアの文化財や飲食店などの基礎データ作成を行っている。

 OSMは2004年に英国で生まれたプロジェクトで、地図に現れていない道や身近な施設情報などを自由に追加することが可能。2014年には、誰もが参加できる地図編集活動としてグッドデザイン賞も受賞している。著作権表示条件をクリアすれば印刷物などの媒体に無料で転載でき、ウィキペディアや、ゲームアプリ「ポケモンGO」などのサービスにも組み込まれている。

 8月9日には、ESS部の部員5人が教員らと共にOSMのマッピング作業に取り組んだ。作業の前にオリエンテーションがあり、一般社団法人「オープンストリートマップ・ファウンデーション・ジャパン」(東京都北区)理事の坂ノ下勝幸さんが「地域のささやかな変化を記録するような味のある地図を描けるのは地元の人だけ。楽しんで地図を描くのが一番」と地図作りのコツを伝えた。

 部員たちは國神神社、一筆啓上茶屋、丸岡城などをまち歩きして現地調査を行い、すでに集めていた飲食店情報と合わせてOSMへのマッピングを行った。同班の東史佳さん(丸岡高2年)は「自分で地図が作れるとは思ってもみなかった。現在は丸岡城中心の英語版マップを作っているが、福井市内のお薦めスポットや、他言語版などマップの種類を増やしていければ」と振り返った。

 OSMを使った地図作成イベントは「マッピングパーティー」と呼ばれ、有志により全国各地で行われている。坂ノ下さんは「OSMには石碑、灯籠、消火器など通常の地図には無い情報も追加できる。地元の変化を地図に記録していくことは、『未来の古地図』という地域の宝物を作ることにもつながるのでは」と話す。

 同部は今年度中のマップ完成を目指しており、市内主要箇所やインターネット上などでの配布を予定する。

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