福井県非公認ゆるキャラ「ふくインコ」が10月中旬、活動を始めた。
「ふくインコ」のポストカード。「エフエムしろいし」のショッピングサイトなどで販売予定という
芸能プロダクション業務やコミュニティーFM局運営などを手掛ける「Nobody hurts」(札幌市中央区)が考案した同キャラ。同社は約2年前から福井市内に支所を構えており、「縁あってつながることになった福井の知名度向上に貢献できれば」(同支所長の安田栄次さん)と約1年掛けて準備を進めた。
「札幌の方に福井のことを説明しても福岡や福島と間違えられることはしょっちゅう。『京都の隣』『金沢の近く』など他県を引き合いに説明しないといけないのが悔しく、一目で福井をアピールできるものが作れないかと考えていた」と振り返る。
キャラクター設定に当たり「ふくい」の音が入った名前になることを最優先した。「愛らしい動物をモチーフにする考えはもともとあり、『ふくイヌ』などの候補からインコを採用することに決めた。近年さまざまなインコグッズが販売され、愛玩動物という側面だけではないインコブームを感じていることも背景にあった」
同社運営の「エフエムしろいし」(札幌市白石区)パーソナリティーで、美術作家の山口カトリーヌさんが原画を描いた。4月には福井県内の観光スポットを巡るなどの取材を行い、同キャラの腹部に描いたダルマに鯖江産の眼鏡を掛けさせるなど作品作りに反映したという。
好きな食べ物に、福井県産米の新ブランド「いちほまれ」、越前おろしそば、サバのぬか漬け「へしこ」などを挙げる。特技として美浜町出身の歌手・五木ひろしさんの物まねを掲げるが、「あくまで『自称』」と謙虚な姿勢を崩さない。
今月14日・15日、敦賀市内で行われたイベント「観光物産 in みなと敦賀」が初舞台となった。「会場を訪れた親子連れや外国人観光客などから記念撮影の声を頂いた」という人気ぶりで、渕上隆信敦賀市長とのツーショットシーンもあったという。「モチーフの分かりやすさ、愛らしい雰囲気、コミカルな動きなどが受けたのでは」
安田さんは「今秋の『いちほまれ』初出荷や、来年の『福井しあわせ元気国体・大会』など、福井の名を全国区に広めるには今が絶好のタイミング」と強調。全国のコミュニティーFM局とのネットワークを生かした広報活動に取り組む意欲をのぞかせ、来年の「ゆるキャラグランプリ」優勝を目標に掲げる。