越前市出身のシンガー・ソングライター「せりかな」さんが1月25日、アルバム「serikana 10th Anniversary 地球より愛を込めて」をリリースする。
競技かるたの経験もあるせりかなさん。「かるたの団体戦のように、集った人たち全員で喜べるようなライブが好き」と話す
東京を拠点に活動を展開する、せりかなさんの音楽活動10年を記念した新譜。「dry」「エール」「Mr.DawnBreaker」など新曲4曲、新たなアレンジを加えたという「絆の向こうへ」、ボーカルを再録音した既発表曲など全15曲で構成する。
「エール」は能登半島地震からの復興に向かう人たちに向けて書き下ろしたという曲で、応援のメッセージを疾走感あるストレートなロックサウンドに込めた。「Mr.DawnBreaker」は、「夜明けを誘う人」という意味合いを込めた楽曲。「困難な状況の中でも、人生を楽しみ明るく打破していくような人になりたい」という自らの願いをK-POPを想起させるリズムパターンに乗せた。
既発表曲はライブの定番曲やCM楽曲など、耳なじみのある作品からピックアップ。ほぼ全てのボーカルを再録音し、3曲目の「六等星」は原曲キーを半音上げて装いを新たにした。せりかなさんは「自作の曲なのに『六等星』のキーはやや歌いづらかった」と明かし、「ボイストレーニングの成果で表現の幅が広がり、キーを上げることで私の声の『一番おいしい響き』を形に残せた」と笑顔を見せる。
アルバムタイトルは音楽活動を共にしてきたトレードマークの「地球ギター」に由来する。「上からスッと下りてくるように思い浮かび、これ以上にしっくりくるタイトルがなかった。新曲も今後きっと愛してもらえるだろうという手応えがあり、『せりかなの10年の集大成』と言える精度の高いアルバムになった」とせりかなさん。
10年の活動を振り返り、「(福井県の恐竜キャラクター)ジュラチックの公式ソングなど、故郷の福井と音楽でつながれたのは印象に残った出来事の一つ。コロナ禍で活動が制限された時期もあったが、ファンの人たちのおかげでくじけず続けることができた」と感謝を口にする。
「大きな会場でのライブにはあまり関心がなく、リスナー一人一人の顔がはっきり見える地区の夏祭りや学園祭のような場が肌に合う」とも。音楽の道を志す若者から質問が寄せられることも増えたと言い、「周囲の人たちに支えられてきた経験を基にサポートし、一緒に音楽イベントを企画できたら」とプランを描く。
リリースに合わせ、1月25日、福井駅西のイベントスペース「福井 北ノ庄クラシックス」(中央1)で活動10年記念ライブを開く。ギターとコーラスを担当する恒見コウヘイさん、ピアノの佐澤尚友さんとの3人編成で、せりかなさんは「心から信頼の置ける先輩ミュージシャンとのライブ。聴く人のハートに届くような温かな音を3人で作っていければ」と意気込む。
CDの価格は4,400円。