福井県鯖江市のセレクトショップ「SAVA!STORE」(鯖江市河和田町)で3月24日、ポップアップイベント「フクション!マルシェ」が始まる。
「Have Tae TOAST」の盛り付け例。プレーン、よもぎ、黒ごまきなこの3タイプをそろえる
「福祉に、アクションを」を掲げ、福井県障がい福祉課、社会福祉法人「福井県セルプ」(福井市学園3)などでつくる「フクション!」プロジェクトが企画した期間限定ショップ。農業・福祉・デザインの各分野を横断し、福井県内の福祉関連5事業所が手がけた食品や雑貨などを販売する。
店頭に並べる食品は、自然栽培のオクラを使った「オクラのとろ~りスープ」、福井県産六条大麦グラノーラを使う「麦の茶菓」、食パンに乗せて食べる羽二重餅「Have Tae TOAST」、自家栽培のキクラゲを使った「福井きくらげ耕房」のつくだ煮と干しきくらげ。雑貨は越前和紙に版画を手刷りしたレターセット「紙版喫茶」で、合わせて5品目を用意する。
同プロジェクトは2020年、福井県未来戦略課が進める政策立案の取り組み「政策デザイン」を起点にスタート。デザイン事務所「TSUGI」(鯖江市河和田町)、「六感デザイン」(福井市渕3)の2社がディレクション、商品コンセプト立案、パッケージデザインなどで支援し、障害の有無に関係なく人々が生き生きと働ける社会の実現を「福祉+アクション=フクション」と定義した。
TSUGI社長の新山直広さんは「日本の全人口の7.4%に何らかの障害がある一方、障害者就労の全国平均工賃は月額約1万5,000円で、障害者年金を合わせても自立が難しい現状がある。こうした背景から『フクション!』は障害者の賃金向上や、働く喜びを感じられる『幸せ就労』の仕組みづくりをビジョンとした」と話し、同イベントを2021年度の活動の総決算として位置付ける。
同イベントに先行して昨年に販売を始めた事業所からは、デザイナーとの協働作業で新奇なアイデアが生まれたことや、道の駅など新たな販路拡大につながったなどの評価が寄せられている。新山さんは「プロジェクトでは福祉事業所と民間企業とのマッチングサイトも展開する。障害者と社会との接点が増えることで、障害がある人がまちの中に自然に溶け込んでいる世の中になれば」と将来像を描く。
開催時間は12時~18時(土曜・日曜は11時から)。28日まで。