展覧会「ミニチュアライフ展 -田中達也 見立ての世界-」が2月19日から、福井市美術館(福井市下馬3)で開かれる。
コッペパンを新幹線に見立てた「新パン線」。「福井会場だけの仕掛けも予定されている」(学芸員・河野さん)という
ミニチュア写真家・見立て作家として活動する田中達也さん(鹿児島県在住)の展覧会で、福井テレビと同館でつくる実行委員会が主催。同館2階の企画展示室、市民アトリエに作品約150点を展示し、ジオラマ用人形と日用品を使って社会をユニークに切り取る「見立て」の世界を展開する。
2011(平成23)年からネット上で「MINIATURE CALENDAR」というアート作品を毎日発表し続ける田中さん。食べ物や日用品など身近な素材を別の物に見立てる視点が人気を博し、今年2月現在でSNSのフォロワー数は270万人を超える。2017(平成29)年、NHKの連続テレビ小説「ひよっこ」のタイトルバックを担当したことも話題となった。
立体作品と写真作品とで会場を構成する。マスクを用いて制作した「荒波を乗り越えよう」、セロハンテープカッターを空港のチェックインカウンターに見立てた「ステイセーフ、ステイテープ」などの「Stay Safe」をテーマにした作品、田中さんの視点で福井県を捉えたという本展だけの新作も並ぶ。
担当学芸員の河野泰久さんは「海外の方にも通じるユニークな視点が田中さんの強み。SNSを活用して地方を拠点に活動するスタイルはこれからのアートの一つの在り方では」とした上で、「作家自身が制作を楽しんでいるのが作品やタイトルににじみ出ている。コロナ禍の話題が続く中、ホッとできるような作品をじっくり味わってもらえれば」と話す。
開館時間は9時~17時15分(入館は30分前まで)。料金は、前売り=一般900円、クリアファイル付きセット券1,000円、平日ペア券1,700円、当日=一般1,100円、高・大生=800円、小・中生=500円。休館日は、2月24日、3月1日・8日・15日・22日。3月28日まで。