見る・遊ぶ 暮らす・働く

福井の映画館「メトロ劇場」音響設備刷新へ 「コロナ禍の挑戦」、導入費用募る

福井市の繁華街「片町」エリアにある同館。来場者による「あなたが選ぶ上映映画」アンケートを基に上映作品を選定する

福井市の繁華街「片町」エリアにある同館。来場者による「あなたが選ぶ上映映画」アンケートを基に上映作品を選定する

  • 30

  •  

 福井市にある映画館「メトロ劇場」(福井市順化1)が現在、音響設備刷新のための資金を募っている。

「ウィギーカンパニー」の屋号で活動する黒田さんによる、コラボグッズのデザイン(イメージ)。「丸みのある特徴的なロゴを生かし、大きなスクリーンからあふれる光やさまざまな景色を幾何学模様として配置した。劇場で過ごす時間や日々の生活のお供として楽しんでもらえれば」と黒田さん ©2021 メトロ劇場, wiggiecompany

 同館は1953(昭和28)年開館。洋画ロードショー館として営業をスタートし、名画座の形態を経て、アート系の作品を中心に編成するミニシアターへと展開している。現在は、2016(平成28)年に急逝した3代目館主・根岸義明さんの子である輝尚さんが館主を受け継ぎ、輝尚さんの姉で支配人を務める佳代さんと共に、福井と東京を往復しながら劇場経営に力を注ぐ。

[広告]

 昨年から続くコロナ禍は同館の経営にも陰を落とす。輝尚さんによると「首都圏に比べ感染者数が少なく見える福井でも、お客さまの数は前年比で30%強も少なくなった」。映画会社もより速いサイクルで新作を配信サイトに提供するようになり、「休業要請を受けて一時休館した昨年5月以降、映画館の在り方や、メトロ劇場の『カラー』について議論し考えを重ねてきた」という。

 答えの一つが音響設備刷新だった。輝尚さんいわく「私たちにとっての挑戦と賭け」。その思いの裏には、「映画は映画館で見てもらって初めて成立する芸術」を持論に、作品上映時の音づくりに心血を注いだ義明さんの姿があった。米ハリウッドの映画音響にスポットを当てたドキュメンタリー映画「ようこそ映画音響の世界へ」と出会ったことも大きな契機となった。

 クラウドファンディングサイト「OHIROME」で寄付を募り、デジタル5.1ch/7.1chサラウンドシステムの導入費用に充てる。目標額は300万円で、寄付コースは2,000円~20万円の12通り。返礼品として、オリジナルキーホルダー、記念招待券、福井在住の図案家・黒田美恵さんとのコラボグッズ、平日レイトショー枠の劇場貸し切り権、1年間有効の特製フリーパスチケットなどを設ける。

 受け付けは1月18日に始まり、映画ファンや同館ゆかりの映画人から応援ツイートが寄せられるなど反響を呼んでいる。輝尚さんは「想像以上に多くの反響を頂いており身が引き締まる思い」と話し、「皆さまの期待に加え、コロナ禍の下で抑圧された情熱のようなものも感じた。改修が終わりコロナが収まった際には、ぜひ遊びに来ていただければ」と呼び掛ける。

 締め切りは3月31日。