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福井・越前町で越前焼テーマ展「土管屋さんがいた時代」 勅使河原宏制作の花器も

明治中期に作られた鉄道土管を解説する木村さん。土管の重量は約70キロという

明治中期に作られた鉄道土管を解説する木村さん。土管の重量は約70キロという

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 福井県陶芸館(越前町小曽原)で現在、テーマ展「小曽原(おぞわら)、土管屋さんがいた時代」が行われている。

勅使河原宏が土管の型から着想した花器。福井県庁1階ロビーにも作品が展示されている

 明治時代から1970年代半ばまで、越前焼の技術を生かして作られていた土管を紹介する同展。「鉄道土管に始まり、大量生産の時代を経て、芸術作品へ」をテーマに、昔の土管や製造に使った道具、福井で作陶に取り組んだ草月流第3代家元の故・勅使河原宏が土管の型で作った花器など計21点を紹介する。

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 土管生産のはしりとなった「鉄道土管」は線路の路盤に敷設した排水管で、主に県内向けに出荷された。担当学芸員の木村茉莉さんは「『ねじ立て』という伝統技法で、厚さ5センチほどになる土管を生産していた。つぼなど大型の器を作る技術が生かされた」と解説する。

 ピーク時には大型の登り窯で一度に2000本を焼き上げ、産地全体で年間100万本を出荷していたという。「大量生産品は生活の役に立つ一方で、日常風景に溶け込みすぎてあまり注目されない存在でもある。越前焼の昔と今をつなぐ『歴史の証人』として再認識してもらえれば」

 前任地で発掘調査に関わったことなどから、地中で活躍する土管への愛着が芽生えたという木村さん。「『福井 土管』の検索で本展の情報が出るようになりうれしい。当時の様子を捉えた写真も募集しており、寄せられた資料を追加展示していきたい」と話す。

 関連イベントとして、学芸員による展示解説(2月17日、3月17日、各日2回)、1958(昭和33)年製作のニュース映画「脚光あびる窯業-丹生郡宮崎村-」上映(随時)なども行う。

 開館時間は9時~17時(入館は16時30分まで)。料金は、一般=200円、高校生以下無料。3月24日まで。

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