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福井・大野で「ムスンデヒライテン」 地元出身の美術家、土俵モチーフの作品展示

制作に取り組む前田さん。全ての毛糸の両端を結び、最終的に一本の輪にするという

制作に取り組む前田さん。全ての毛糸の両端を結び、最終的に一本の輪にするという

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 福井県大野市のギャラリー「COCONOアートプレイス」(大野市元町)で1月29日から、企画展「前田吉彦 ムスンデヒライテン」が開かれる。

戦後、同市などで展開された「小コレクター運動」により市民が所有する絵画も常設展示する同館。瑛九、靉嘔、池田満寿夫らの作品が館内に掛かる

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 前田さんは1972(昭和47)年同市生まれ。大野高卒業後、京都市立芸大で彫刻を専攻し、独ベルリン芸大で研究生として学んだ経歴を持つ。同市での個展開催は、2015年の「前田吉彦展-展覧会が結う縁-『ナヅム中空作法』」に続き2回目。

 同施設内の蔵ギャラリーに相撲の土俵を模した立体作品を展示する。表面を黄緑色の毛糸約1100本、白色の毛糸約200本で覆い、会場中央の柱で2つに開いたような構造を取る。前田さんは「リング(土俵、輪)、リンゴなどの言葉遊びから生まれた作品。リンゴを赤でなく青にしたのは常緑のイメージから」と解説する。

 「土俵は神聖な場で縁起の良さの象徴でもある。めでたいものにあやかりたい気持ちから、10年前に土俵をテーマにした作品を作ったことがあった」。過去の作品は10分の1スケールだったが今回は実サイズ。「会場内を採寸して原寸大の土俵が収まることが分かり作品のプランが湧いた。長年の夢がかなった」と笑顔を見せる。

 彫刻家として活動する前田さんは、毛糸、木材、パスタ、紙などさまざまな素材で創作に臨む。「素材を彫るだけでなく、造形すること全般を彫刻とするのが美術界の捉え方。今回の作品が彫刻に対する概念を変えるきっかけになれば」と話す。

 関連イベントとして2月11日10時から、「口にした言葉にモヤモヤな輪郭を肉付けし、クッキーにして食べる」というワークショップ「モヤモヤに焼く」を予定する。参加料100円。定員10人。

 開館時間は9時~17時。入館料は、一般=300円、中学生以下無料。

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