イベント列車「福鉄観光列車 越前そば物語」の運行が12月3日、福井鉄道で始まる。
3月に営業運転を始めた新型車両のF2000形「フクラムライナー」を使うイベント列車。たけふ新駅~福井駅電停間を往復する車内で、越前おろしそばなどを提供する。
たけふ新駅11時発のダイヤで運行し、福井駅電停での休憩を挟んで約2時間かけて両駅間を往復。ソバは今年収穫された新ソバで、越前そばの里(越前市真柄町)協力の下、ゆでたての固ゆで麺を水で締め北府駅まで約10分で配送する体制を整えた。車内では地元料理9品と越前茶も提供する。
鉄道営業部の白崎正臣さんは「かつて運行していた夏場の『ビア電』のように、車内で気軽に飲食が楽しめる電車を復活させたいと立案した」と説明。全席ロングシートというフクラムライナーの仕様を生かした企画で、同車両専用の飲食テーブルも用意した。
府中(現・越前市)の城主となった本多富正や、本多が従えたそば職人・金子権左衛門に由来すると伝えられる越前おろしそば。白崎さんは「北陸新幹線延伸開業による丹南地区の観光アクセスを担う当社として、車内で越前市発祥のおろしそばを楽しめる内容とした」と話す。食後のスイーツとして福井の冬の味覚である水ようかんも組み入れた。
料金は3,900円。定員は各回30人。酒類、ソフトドリンク類、おつまみなどの持ち込みは自由で、白崎さんは「持ち込んだおつまみをお客さま同士が分け合うのも、かつてのビア電の楽しい光景だった」と懐かしそうに振り返る。
1月26日にかけて29本を運行。3営業日前までの予約が必要。