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福井・越前市で「創造都市」掲げイベント 世界的パッケージ賞受賞者登壇も

「EZZEN」の製作エピソードを説明するaiMIKIさん。「ペントアワード」受賞は昨年に次いで2度目

「EZZEN」の製作エピソードを説明するaiMIKIさん。「ペントアワード」受賞は昨年に次いで2度目

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 越前市のコワーキングスペース「Idea Sync(アイデアシンク)」(天王町)で11月25日、交流イベント「DIGNNER ECHIZEN(ディグナー越前)」が行われた。

「EZZEN」シリーズの商品群と、「ペントアワード 2023」のトロフィー

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 「クリエーティブシティー(=創造都市)に向けての機運醸成プロジェクト」を掲げ、行政関係者や市内のクリエーターらでつくる実行委員会が主催し、今回が2回目。市内で新しい物事を起こそうと考える若者や、プロジェクトに関心を寄せる人など、約30人が市内外から参加した。

 プログラムは、参加者同士の交流タイムやイベントテーマに沿ったトークセッションなどを軸に展開。「越前市から世界へ発信するクリエーティブ」というセッションでは、市内在住のデザイナー・aiMIKIさんが登壇し、商品コンセプト、ロゴ、パッケージのデザインなどを手がけた越前打刃物シリーズ「EZZEN(エッツェン)」の事例を紹介した。

 世界的パッケージコンテスト「Pentawards(ペントアワード)2023」家庭用品部門で銅賞を受賞した同シリーズ。aiMIKIさんは、11月上旬に英ロンドンで行われた授賞式の様子も交えながら、「『EZZEN』は、越前和紙や越前指物などの伝統工芸、眼鏡枠の素材で自然由来のアセテートなどを盛り込んだ商品。地球環境配慮の観点から、プラスチックを使わないパッケージが世界のトレンドになっている」と話した。

 参加者の中には、aiMIKIさんの伯父で同シリーズのプロダクトデザインを担当した建具職人・横田利宏さんの姿もあった。横田さんは持ち手の素材に軽量のキリを採用した理由として、「包丁は切れ味が良いだけではだめで、暗がりでもさっと手に取れるような軽さが伴わないといけない。刃物は使う時間より研ぐ時間の方が長い道具でもあり、持ちやすく研ぎやすい包丁こそが料理人に愛される」と説明。参加者の間に納得の声があふれた。

 山田賢一越前市長、同スペース店主・前田聰一郎さん、aiMIKIさんによるセッションもあり、「身近な範囲で見つけた『まちの宝』を地域の誇り(プライド)につなげ、プライドとブランドの好循環をつくることが重要」という意見で一致。文化資源を生かし地域振興につなげる創造都市の形成に向け、市民の参画を呼びかけた。

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