えちぜん鉄道の観光列車「恐竜列車」の出発式が7月15日、福井駅で行われた。
勝山方の8002形車内「ジュラシックゾーン」に設けられた恐竜モニュメント
7月14日の福井県立恐竜博物館リニューアルオープンに合わせ、同社が導入した観光列車。来春の北陸新幹線福井・敦賀開業も見据えた事業で、福井県や国の補助も受け約2年かけて準備を進めてきた。
2両編成で定員50人。静岡鉄道から譲渡された1000形電車を阪神車両メンテナンス(兵庫県尼崎市)で改造し、新たに8001形・8002形とした。車体ラッピングのイラストは、JR福井駅舎の壁画デザインなどを手がけた恐竜イラストレーター・山本匠さん(千葉県在住)が描いた。
出発に先立ちコンコースで記念式典があり、杉本達治福井県知事と同社の前田洋一社長が出席した。前田社長は「福井県や国の支援の下で今日を迎えることができた。(恐竜列車を手始めに)1日まるごと1億2000年前の恐竜の世界を満喫してもらえれば」とあいさつし、杉本知事は「(恐竜列車の切符を活用し)越前大仏、勝山城博物館などの市内観光も楽しんでもらえれば」と呼びかけた。
一番列車の切符を手にした50人のうち6割が関東・中京・関西圏などからの県外客で、初日乗車分は販売開始後数日で完売したという。営業開発部の吉田周平さんは「ラッピングや車内の恐竜モニュメントなど内外装の演出にこだわった。『恐竜アテンダント』と共に楽しめる恐竜クイズなどの時間もあり、内外装だけでなくソフト面も楽しんでもらえれば」と話す。
8月11日を除く8月31日までは毎日、9月以降は土曜・日曜・祝日のみ運行する(冬季運休)。福井駅9時35分発の片道1便の設定で、乗車にはウェブサイトでの事前予約が必要。吉田さんによると「8月末までの予約率は約85%、9月から10月までの予約率は約75%」という。
料金は、一般=4,500円、高・大生=4,000円、中学生=3,800円、小学生=3,300円など(いずれも、恐竜博物館常設展観覧料、勝山市内バス乗り放題券などを含む)。