福井県立美術館で現在、コレクション展「イメージWORKS 映像の実験室」が開かれている。
パイクさんの「メイド・イン・永平寺」。制作当時の資料も併せて展示する
メディアアート、写真、版画、ミクストメディアなど同館所蔵の作品を「イメージ」をキーワードにまとめた展覧会。館内の第1・第2両展示室に福井ゆかりの作家ら6人の作品や映像関連機材など約80点を展示する。
展示作家は、土田ヒロミさん、クリヨウジさん、北川健次さん、山本圭吾さん(以上、福井出身)、森山大道さん(大阪出身)、ナム・ジュン・パイクさん(韓国出身)の6人。パイクさんが手がけた「メイド・イン・永平寺」は1986(昭和61)年、永平寺に滞在して制作した作品で、ブラウン管型モニター4台と仏像によるインスタレーションで構成する。
第1展示室中央には、フィルム映写機、写真の引き伸ばし機、ピンホールカメラの元祖とされる「カメラ・オブスクラ」、アニメーションの原点とも言われる「ゾートロープ」なども展示。アヌシー国際映画祭(フランス)特別審査員賞を受賞した、クリさんのアニメーション作品「人間動物園」はデジタル化された映像と共に16ミリフィルムも公開し、映像メディアの変遷を追うことができる。
1980年代から90年代にかけ、同館などを会場に行われていた「ふくい国際ビデオビエンナーレ」の流れをくむ同展。野田訓生副館長は「実験室をコンセプトにした展示で、メディアの移り変わりを体感してもらえる内容となるよう工夫した。さまざまな広がりを見せている映像メディアが身近な物の応用から始まったことを感じ取ってもらえれば」と話す。
関連イベントとして、学芸員ギャラリートーク(11日14時~)、「メイド・イン・永平寺」プロジェクトに関わった黒原繁夫さん(福井在住)と野田さんの対談「ナム・ジュン・パイクと福井」(19日14時~)を行う。隣接のカフェ「美術館喫茶室ニホ」で、学芸員トークサロン(12日18時~)も開催する。
開館時間は9時~17時(入館は30分前まで)。料金は100円(高校生以下無料)。月曜休館。