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福井の劇団が「観劇あんしんシート」作成 観劇人口拡大に活用呼びかけ

観劇を呼びかける、沼畑さん(左)、山田さん(右)

観劇を呼びかける、沼畑さん(左)、山田さん(右)

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 福井の劇団「さよならキャンプ」が2月中旬、観劇の手引き「観劇あんしんシート」を公開した。

「観劇あんしんシート」記入例。チェックボックスのほか、補足メッセージなどを書き込める自由記入欄も設ける

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 3月上旬に行う第3回公演「あなたがどこにいても」を前に、安心して作品を楽しんでもらおうと作成した。役者の演技、舞台演出、ストーリー上の描写など、ネタバレにならない範囲で情報公開することで、観劇に慣れていない人たちへの事前周知やフォローにつなげる。

 シートはA4判相当の大きさで、劇団ウェブサイトで未記入状態のテンプレートファイルも公開する。データは自由にダウンロードでき、「大きな声を出します」「泣きます」「照明が点滅します」「物が飛んできます」などのチェックボックスにマークを入れた後、SNSに投稿したり印刷したりして活用できるようになっている。

 同劇団副主宰で制作担当の山田志穗さん(福井市在住)によると、以前、中高生向けに行った演劇ワークショップでの出来事がシート作りに結びついたという。

 「演技に関する映像作品を見てもらったところ、ある参加者から『事前に内容が分かっていたら見たくない映像だった』という声が寄せられたことが心に残っていた。映画に『G』『R18+』のようなレーティング表示があるように、演劇にも同様の仕組みを取り入れられないかと考えた」と振り返る。

 着想から一晩で作られたシートを見た主宰の沼畑真さん(坂井市在住)も目を見張った。2021年の旗揚げ以来、寺院やコミュニティースペースなど劇場以外での公演を通して、芝居をあまり見たことがない人たちに足を運んでもらう活動理念にマッチしたからだった。

 沼畑さんは「観劇していると、至近距離で役者が大声を出したり殴り合いを始めたりという展開が起きることがしばしばある。そうしたハプニング性は演劇の魅力ではあるが、観劇慣れしていない人に心理的なショックを与える可能性もある。シートを事前に公開すれば、見る側も心の準備をして臨めるのでは」と話す。

 公開後、テンプレートを活用する県外の劇団も現れた。京都市を拠点に活動する劇団は2月下旬の公演に当たり、取扱注意を意味する「センシティブ」設定でシート画像をツイッターに投稿しネタバレを防いだ。山田さんは「投稿を見て『こんな発信方法もあるのか』と感心させられた。シートは発展途上の取り組みで、今後も改良を重ねて精度を高めていけたら」と意気込む。

 「あなたがどこにいても」は3月4日・5日、福井ものづくりキャンパス(越前市瓜生町)2階小ホールで開催。期間限定で共同生活する他人同士の男女4人が繰り広げる物語で、沼畑さん、山田さんのほか、シンガー・ソングライターのタカハシケンジさん、福井のライブアイドルユニット「はうかわ!」メンバーの白崎遥香さん(以上、福井市在住)が出演する。

 開演は、4日=18時。5日=14時、18時。チケット料金は、前売り=1,500円(18歳以下1,000円)、当日=2,000円(同)。

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