福井県内外の若者を対象にしたプロジェクト「若者についての議論を、若者がしよう」が6月、スタートする。
「議論をあえてかき回し、話し合いを活性化させるような大人として運営を進めたい」と話す小野寺さん
民法改正による成人年齢の引き下げなどを踏まえ、若者を取り巻く現状や未来について若者自身で考えてもらうことを呼びかける同プロジェクト。子どもに関わる団体でつくる北陸地方のネットワーク「親と子のリレーションシップほくりく」が、10月に越前市内で行うイベントの一環として展開する。
イベント実行委員で、フリースクール「福井スコーレ」(福井市田尻栃谷町)代表の小野寺玲さんらが運営に携わる。同ネットワークは子どもの権利条約にのっとり活動しているが、同条約第12条が掲げる「子どもの意見表明権」が一般にまだまだ浸透していないという実感からプロジェクトを企画したという。
参加対象は、高校生と、高校生年齢の若者。月2回ペースで10月にかけてオンラインミーティングを行い、若者の社会参加などに関する学習や議論を重ねてもらう。活動の成果を10月29日、市民プラザたけふ(越前市府中1)で行う「親と子のリレーションシップほくりく2022 in えちぜん」分科会のシンポジウムで発表する予定で、シンポジウムの準備も活動の一環として盛り込む。
成人になるまでの助走期間に校外活動を通して物事をつくることの意義を強調する小野寺さん。「『つくる』とは自分で責任を引き受けるということ。うまくいったこともいかなかったことも、全て自分のこととして受け止める経験が子どもたちの財産になる」。議論の過程はクリエーター向けサービス「note」で随時公開していく。
立案に当たり、顕在化している「教員の多忙化」の解消も意識した。小野寺さんは「学習指導要領は『主体的・対話的で深い学び』を掲げるが、教員が忙しすぎて深い議論を十分に実践できないという課題も耳にする。本プロジェクトのような校外活動が、学校や地域における教育の在り方を良い方向に向ける一助となれば」と話す。
6月4日・11日の20時から、参加希望者を対象にオンライン説明会を行う。小野寺さんは「高校生がいきなり知らない世界に飛び込むには勇気が伴う。周囲の大人からの紹介があれば参加のハードルも下がるのでは」と話し、教員や、子どもと接する活動をしている人などの受講も呼びかける。
プロジェクトの定員は20人(先着順)。参加費無料。