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「パワポ」をグラフィックソフトに 福井の短大教員が解説書

出来上がった著書を手にする澤崎教授

出来上がった著書を手にする澤崎教授

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 福井在住で、仁愛女子短大(福井市天池町)の澤崎敏文教授が執筆した解説書「パワポで描く! 図とイラスト」(技術評論社刊)が4月30日、発売された。

同書の作例より。面積を計算する問題でしばしば見られる図も、描画機能の組み合わせで作ることができる

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 プレゼンテーション向けソフトとして知られるマイクロソフト製「パワーポイント(パワポ)」の描画機能を駆使し、グラフィックソフトとして活用するための方法を豊富な図版と共に解説する同書。「図形描画機能の基本操作」「図形を活用した作図・イラスト作成」「アニメーションの活用」など、全4章と補足説明で構成する。他社製グラフィックソフトなどに見られる、図形の結合、直線・曲線の操作、レイヤー、画像レタッチなどの機能にも触れ、パソコンでのデザイン業務を専門とする人たちにも訴求する内容とした。

 澤崎教授のパワーポイント歴は25年。福井県職員として勤務していた時、研修で同ソフトを使ったプレゼンテーションに出合ったのを機にその魅力に引かれたという。一つ一つの操作メニューを確かめながらほぼ独学でノウハウを積み、昨年には、同ソフトを動画編集に活用するための解説書を出版した。

 「パワーポイントの歴史を振り返って、SVG形式のデータが扱えるようになったのは個人的に大きな出来事の一つ」と澤崎教授。拡大してもジャギー(=ギザギザ)の出ないSVG形式で図形の貼り付けや書き出しなどができるようになり、グラフィックソフトとしての使い勝手が格段に向上したという。

 自身のユーチューブチャンネル「さわらぼ・チャンネル」で発表した作例を基に、基本図形の組み合わせでできる図、オリジナルの吹き出し、グラデーションを駆使したイラスト、画面切り替え機能を生かしたアニメーションなどを網羅。教育現場での活用を想定し、方眼紙、放物線グラフ、展開図、回路図、分子モデルなどを作る方法も盛り込んだ。

 執筆に当たり、文部科学省による「GIGAスクール構想」の進展も考慮した。澤崎教授は「著作権法改正により、著作物を複製したオンライン授業には補償金の支払いが伴うようになった。教材に使う図やイラストなどを独自に作る場面が教育現場で増えることも考えられ、本書が手早く作業を進めるための一助となれば」と話す。

 仕様はB5変型判、240ページ。価格は2,000円(税別)。

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