賀茂神社(福井市加茂町)が4月上旬、公式マスコットキャラクター「双葉夢叶(ふたばゆめか)」グッズの販売を始めた。
御朱印2種(右がさくらいとバージョン)。キャラクターの目には、上賀茂・下鴨両神社にちなんだ「上・下」の文字が描かれている
上賀茂・下鴨両神社(京都市)の神霊をまつり、安倍晴明の師とされる賀茂氏からの秘伝書を基にした300種の守り札を授与する同神社。自分で吉や凶を書いて夢や目標を祈願する「夢おみくじ」も行う「夢をかなえる神社」のキャッチフレーズにちなみ、キャラクターの絵柄をあしらった御朱印2種と、ステッカーお守り3種を用意する。
プロジェクトを手がけるのは、福井市在住で同神社の氏子でもある水嶋弘泰さん。コロナ禍による参拝者減を目の当たりにした水嶋さんは昨春、SNSでの情報発信活動を「自主企画」として同神社に持ちかけ、活動の一環として昨年12月、同神社の紋章であるフタバアオイを盛り込んだキャラクターを発表した。
水嶋さんによると、同神社がある福井県嶺北地方で公式キャラクターを設けた神社は初めて。キャラクターは同神社拝殿にある水晶の願い玉の妖精という設定で、福井県嶺南地方のご当地萌(も)えキャラ「嶺南ミカミちゃん」の作者「上司」さんが手がけた。水嶋さんがツイッターで見かけた嶺南ミカミちゃんのコスプレ写真が上司さんへのオファーにつながったという。
コスプレ主が福井の伝統工芸応援アイドルグループ「さくらいと」メンバーの「WAKANA」さんだったことから、同グループとの交流も始まった。WAKANAさんは夢おみくじの公式巫女(みこ)にも就任し、今年2月、双葉夢叶に扮(ふん)して神前で奉告する姿もSNSに投稿された。
グループとの交流に由来し、御朱印、ステッカー各1種に同グループの衣装を着けた「双葉夢叶 さくらいとバージョン」の絵柄をあしらう。ステッカーにはWAKANAさんの直筆メッセージやサインが書かれた越前和紙を挿入して販売する。
2024年春予定の北陸新幹線福井・敦賀開業を控え、「今後も神社やさくらいとの品位を下げないよう配慮し、神社のいわれをモチーフにした活動を展開したい」と水嶋さん。神主の広部賀紀(よしのり)さんも「新たな取り組みが参拝客増の契機となれば」と期待を込める。
価格はいずれも500円。