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戦前福井の「だるま屋少女歌劇」モデルの市民劇 本番会場でオーディション

ホールいっぱいに声を響かせ課題に取り組む応募者

ホールいっぱいに声を響かせ課題に取り組む応募者

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 市民劇「雨の夏、三十人のジュリエットが還(かえ)ってきた」の出演者オーディションが5月7日、福井駅西のハピリンホール(福井市中央1)で行われた。

応募者に助言する中埜さん(右)。福井を活動拠点とする劇団「演衆やむなし」の演出も務める

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 戦前、西武福井店(同)の前身である百貨店「だるま屋」が地元の少女たちを採用・養成し運営していた「だるま屋少女歌劇」をモデルにした同作。故清水邦夫さんが脚本を、故蜷川幸雄さんが演出を、それぞれ手掛け、1982(昭和57)年、宝塚歌劇団出身者らが出演し日生劇場(東京都千代田区)で初上演された。

 市民劇はタウンマネジメント機関「まちづくり福井」(福井市中央1)が市中心市街地での文化振興を目的に主催し、今冬、同ホールでの上演を予定する。

 同社は4月1日から30日まで出演希望者を一般公募し、県内外の10代から60代の男女計30人が応じた。志望動機には、「大学の演劇舞台学科進学に向け経験を積みたい」「定年退職による人生の再出発と新しい福井の幕開けが重なった」「一度は諦めた演劇の道にもう一度関わりたい」「福井の演劇界が一般に浸透するきっかけとなれば」などのコメントが寄せられた。

 オーディションは13時に始まり、同市在住の演出家・中埜コウシさんの指導によるウオーミングアップの後、実際の脚本を抜粋した5つの課題で展開した。課題は共演者の組み合わせを変えながら行われ、終了予定時刻の17時を1時間超えるという熱のこもった内容となった。

 応募者による自己PRの時間もあり、同市在住の秋本美穂さんは「文化のジャンルを超えてお客さまが行き来することを願い、地元で音楽と演劇の活動を行っている。『雨の夏』への出演がかなえば自身の活動にもプラスになると考え応募した」と話し、アカペラで歌を披露した。

 今後1週間ほどかけて配役を決定する。中埜さんは「興味と勇気を持ってオーディションに飛び込んだ皆さんに敬意を表したい」と感謝し、「さまざまな経歴を持つ応募者の魅力を最大限発揮できるような配役を考えていく。皆さんと稽古して作品をつくっていくのが楽しみ」と話す。

 上演は12月24日・25日の各日2回。

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