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福井・鯖江で中高生サイバー防衛決勝戦 初の全国大会、奈良高専チーム頂点に

優勝した奈良高専チーム

優勝した奈良高専チーム

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 福井県鯖江市の「サバエ・シティーホテル」(桜町3)で3月26日、サイバーセキュリティー教育プログラム「CyberSakura(サイバーサクラ)」の決勝ラウンドが行われた。

競技を前に準備に取り組む、参加チームのメンバー

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 中高生にサイバーセキュリティーへの関心を高めてもらおうと、市内のNPO法人「エル・コミュニティ」(旭町1)が主催した。開催は今回が初めて。

 昨年12月に行われた予選ラウンドの上位チームが、同ホテル2階に設けた会場で腕を競った。出場したのは、武蔵高等学校中学校「チーム福籠(ふくろう)」、渋谷教育学園渋谷中学校「Shibuya Squad(シブヤスクワッド)」(以上、東京都)、奈良工業高等専門学校「たけのこ」(奈良県)の3チーム計13人。

 競技はポイント制で、各チームがリナックスディストリビューション「Ubuntu(ウブントゥー)」の仮想マシン2台を使って行った。課題はオフィスワーカーの実使用を想定した内容で、セキュリティー上の脆弱(ぜいじゃく)性の修正・改善などにより得点が加算される。

 制限時間3時間30分の試合の結果、開始直後のマシントラブルから巻き返した「たけのこ」が2位に26点の差をつけ優勝した。同チームの田中陽一朗さんは「トラブルに見舞われ当初予定していた作戦が使えない場面も多かったが、あきらめずに頑張って取り組んだかいがあった」と笑顔を見せた。

 CyberSakuraは、米空軍協会(AFA)が2009(平成21)年に始めた「CyberPatriot(サイバーパトリオット)を基にした教育プログラムで、非英語圏での開催は日本が初めて。今回は、中央中学校、「IT×ものづくり拠点『Hana道場』」(以上、鯖江市)両チームを含む、24チーム計90人が予選に参加した。

 同NPOの竹部美樹代表は「近年、地方でもサイバー攻撃に関する報道をよく耳にするようになった。サイバー空間での国同士の争いも頻発している。その脅威からデータやネットワークなどを守る人材が世界的に足りていない中、本プログラムが中高生の進路決定に当たっての一つのきっかけづくりとなれば」と話す。

 プログラムは全国の中高生を対象に展開し、7月ごろ、第2回参加者の募集開始を予定する。

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