福井コロナシネマワールド(福井市大和田2)が11月20日、新音響システム「ドルビーアトモス」の運用を始める。
「ドルビーアトモス祭」を知らせる館内ポスター。音響監督の岩浪美和さんが同システム向けに音響を調整した特別版で上映する
従来のサラウンドスピーカーに加えて天井や前方にもスピーカーを配置し、縦方向の音像の再現を可能にする同システム。導入は来年オープン20年を迎える同館の設備リニューアルの一環で、福井県内の映画館では初めて。
システムは、同館「スクリーン10」(定員200人)に設け、球状のスピーカー30台と低音用のウーハーで構成する。スピーカーはそれぞれ単独で制御でき、時間差で効果音などを出すことで音に包み込まれるような観賞体験を得られるという。
運用開始に先立ち内覧会を行い、ホームページやSNSなどでの呼び掛けに応じた映画ファン約30人が集まった。内覧会では米映画「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」の同システム版が上映され、来場者はベネチア、プラハ、ロンドンなどを舞台に迫力の音響で繰り広げられる戦闘シーンに見入った。
システム導入に合わせ、スクリーンや椅子などの設備も一新した。同館の久保田剛史支配人は「ホームシアターが一般化したとは言え、音の立体感までを再現するには相応の設備が必要。映画館ならではの環境で提供できる非日常体験を多くの方に楽しんでもらえれば」と話す。
25日まで、運用開始記念の特別上映イベント「ドルビーアトモス祭」を行う。上映作品はいずれも同システム版で、「劇場版 ソードアート・オンライン -プログレッシブ- 星なき夜のアリア」「ガールズ&パンツァー最終章 第1話+第2話+第3話 一挙上映」「シドニアの騎士 あいつむぐほし」「ニンジャバットマン」の計4作品。