福井の蔵元「黒龍酒造」(永平寺町松岡春日)が7月1日、新商品「九頭龍 氷やし酒(ひやしざけ)」を発売した。
夏季における日本酒の需要掘り起こしを目指し、オン・ザ・ロックでの楽しみ方を提案する季節限定商品。1997(平成9)年まで約10年間販売した「冷酒(ひやしざけ)」「オンザロック」の名称を基に、「九頭龍」のブランドコンセプトである「自由の扉をあける一杯。」を体現する商品として1年前から準備を進めてきた。
アルコール度数18%。日本酒度プラス1.5度。精米歩合65%。福井県産の酒米「五百万石」を使い醸造した。同社が独自作成する「『黒龍』『九頭龍』味わいマップ」によると、「やや濃い・やや甘い」に位置する商品で、ストレートでは膨よかな香りと味わいを、オン・ザ・ロックではシャープな切れ味を楽しむことができる。
同社の「兼定島酒造りの里」(永平寺町松岡兼定島)で発表会があり、ストレート、オン・ザ・ロック、カシスリキュールを加えたオン・ザ・ロック、同商品をベースにしたカクテル「碧香(あおか)」の飲み比べを行った。
カクテルを考案した、福井市のバー「言ト音(ことね)」(福井市順化1)店主の高橋隆造さんは「福井は魚介類が豊富な土地柄で、日本酒は料理と共に味わうという捉えられ方が一般的。リキュールの一種としても使える『氷やし酒』は日本酒の楽しみを広げてくれる商品で、若年層に勧める時の好材料になる」と期待を込める。
販売開始を案内した酒販店などからは、オン・ザ・ロックだけにとどまらない飲み方の提案が寄せられているという。同社営業企画部の薮下喜行さんは「氷を浮かべることで得られる日本酒ならではの爽快感を堪能していただければ。『黒龍』の品質を身近に感じてもらえるブランドとして『九頭龍』を位置付けており、『氷やし酒』のような挑戦的な商品をこれからも企画していきたい」と話す。
価格は、720ミリリットル入り=1,375円、300ミリリットル入り=605円。全国の「黒龍」特約店で取り扱う。