和紙文具イベント「製本と活版印刷」が2月27日・28日、ものづくり複合施設「PARK」(鯖江市河和田町)で行われる。
越前市にある「信洋舎製紙所」で、名刺用和紙の手漉き作業に取り組む西野さん
表紙に越前和紙をあしらったノート「トリノコノート」の製本・販売会と、手漉(す)きの「耳付き」和紙で作る活版印刷名刺の受注会で展開する。トリノコノートプロジェクト発起人の和紙職人・長田泉さん(越前市在住)、「三椏(ミツマタ)名刺」など名刺用途の和紙を手掛ける西野正洋さん(同)が企画した。
プロジェクトは昨年、長田さんが自身の経験を基にスタート。「福井には和紙製造を行う企業が約50社あり、『ここにない和紙はない』とまで言われる。ただ、各社が用途の異なる和紙を漉いており、産地を代表するような『商品』が少ないのが現状だった。和紙に興味を持ってくださった一般の方に、普段使いで手に取ってもらえるような商品を作りたかった」
昨年7月、福井県が行った「県民ワクワクチャレンジプランコンテスト2020(若者部門)」で最優秀賞となり、支援金100万円を基に第1弾の15アイテムを発表した。11月から12月に掛け、扱い品目を増やすためのクラウドファンディングも募り、目標額を超える約107万円の寄付が寄せられた。
当日は100種類の越前和紙を展示し、表紙に使う和紙、「淡クリームキンマリ90㎏」など数種の中紙、3色から選べるリング、リングの綴じ方などを組み合わせたオーダーメードのノートを1冊1,500円(税別)で製本・販売する。西野さんは、耳付き和紙の名刺サンプルや活版印刷機などを展示し、印刷機の実演や名刺のオーダー受け付けなどを行う。
27日夜には、同施設の一角で「職人BAR」と称したバーを設け、長田さんと西野さんがバーテンダーとしてカウンターに立つ。2人は「コロナ禍の影響もあり閉鎖的な昨今なので、とにかく和紙を通して楽しんでいただけたら私たちもうれしい」と話し、来場を呼び掛ける。
営業時間は、27日=11時~22時、28日=11時~17時。入場無料。