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福井駅西の勝木書店、60年の歴史に幕 駅周辺再開発事業で

8月30日19時過ぎ、駆け付けたファンに深々と一礼する同店店員

8月30日19時過ぎ、駆け付けたファンに深々と一礼する同店店員

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 8月30日、福井駅西の勝木書店福井駅前本店(福井市中央1)が閉店した。

「新店の出店も視野に」と書かれた、同店の閉店告知案内

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 同店は1959(昭和34)年開店。5階建てビルの1~3階で約20万冊の文芸書、参考書、雑誌などを取り扱った。閉店は2022年度末予定の北陸新幹線敦賀開業を見据えた福井駅周辺の再開発計画に伴うもので、8月上旬に告知案内を掲出するなど準備を進めてきた。

 30日は午前中から閉店を惜しむ家族連れなどが訪れ、まとめ買いをしたり記念撮影したりするなど同店でのひとときを楽しんだ。閉店時刻の19時過ぎ、店舗前に並んだ店員が深々と一礼すると、閉店の瞬間を一目見ようと集まった約50人から「今までありがとう」「また駅前に戻ってきてください」とねぎらいの声と大きな拍手が送られた。

 元店員で、セレクト書店「HOSHIDO」(中央1)店主の佐藤実紀代さんは「各店舗の仕入れや配本を取りまとめる部署に配属され、裏方として本店の動きを見ていた。裏方とは言うものの、電話での在庫問い合わせなどお客さまとの接点もあり、福井県立図書館ホームページの『覚え違いタイトル集』をリアルに経験したこともしばしばだった。自分の店を運営する上で、勝木書店で学んだ流通の知識は本当に役に立っている」と振り返る。

 同店のツイッターアカウントにも、福井を舞台にした青春小説「2.43」シリーズの作者・壁井ユカコさんらが惜別のコメントを寄せる。佐藤さんは「思い出の場所が無くなるのは寂しいが、再出店を模索しているという話もあり『また会おう』という気持ち。福井駅前にはやはり、本店のような在庫数・種類共にちょうどいい規模の書店が存在していてほしい」と期待を込める。

 閉店に伴い、本店機能をSuper KaBos新二の宮店(二の宮5)に移す。駅前本店などが並ぶ通称「三角地帯」の建造物は、秋以降に順次取り壊される予定。

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