福井のご当地ヒーロー「はっぴーすマン」が6月中旬、医療従事者やその関係者への感謝を込めたワッペンの製作を発表した。
「ピースとピースの架け橋に」という思いを込め、虹をイメージしてデザインされたワッペン
スポーツウエアのタグなど、坂井市内の繊維企業を中心に作られる「織りネーム」の技術を使って製作したワッペン。「ピース(=平和)とピースを掛け合わせてワールドピース(=世界平和)をつくりたい」という思いを掲げ活動するはっぴーすマンが、市内にある織りネーム製造「松川レピヤン」(丸岡町)の協力を得た。
製作のきっかけは4月上旬、新型コロナ禍対応の最前線に立つ医療従事者への誹謗(ひぼう)中傷のニュースを目にしたことだったという。「私の周りにも、医療機関に勤める家族がいるというだけで心ない言葉を投げ掛けられたという人がいた。人々の心が平和になればそうした誹謗中傷もなくなるのではと、自分にできることを考えた」
製作したワッペン200個を福井県立病院(福井市四ツ井2)に贈呈した。6月19日、同病院多目的室で贈呈式が行われ、「この世に生を受けてから旅立つまで、命をつなぐお手伝いをしてくださる医療従事者や家族の皆さんに感謝」というメッセージを込めたDVDなどと共に看護師に手渡された。
はっぴーすマンは「感謝の思いを抱いている人たちは全国にたくさんいるはずで、今日はその思いを勝手に代表してここに来た」とあいさつ。ワッペンを受け取った看護部次長の毛利久美子さんは「県内の感染者が急増した4月ごろは先が全く見えず心が折れそうにもなったが、地域の人たちの励ましの声に支えられて頑張ることができた」と振り返り、「いつ来るか分からない『第2波』に備え、県民のために万全の体制を整えたい」と表情を引き締めた。
メッセージ動画は、はっぴーすマンのユーチューブチャンネルで閲覧できる。