福井のご当地ヒーロー「はっぴーすマン」の特別授業が11月28日、志比南小学校(永平寺町市野々)で行われた。
ゴミ拾いの様子。児童らは1学期、社会科の授業で家庭ゴミの行方などを学んだのを機にゴミ分別の呼び掛けを始めたという
授業は4年生9人を対象に、社会科の授業として実施。児童たちの社会科担任である竹林保博教頭がかつて、はっぴーすマンの「中の人」を受け持っていたのが縁で授業の企画が実現した。
教壇に立ったはっぴーすマンは冒頭、三国花火大会翌日のビーチのゴミ拾いなど普段の活動を紹介。児童も、校内ゴミ分別の呼び掛けや、サクラマス稚魚放流などの活動について映像などを交えて発表した。はっぴーすマンの「僕にできることは」との呼び掛けに、児童の一人が「(サクラマスを放流する)川のゴミ拾いを一緒にしてほしい」と応え、同校周辺のゴミ拾いを行うことになった。
川の土手や、京福電鉄永平寺線廃線跡の遊歩道など、約30分掛けて火ばさみ片手にゴミ拾いを行った。時折強風が吹く中、元気な声を上げて次々とゴミを見つける児童らの姿に、竹林教頭は「事前に周辺を一巡りしたが、これほどゴミが落ちていたとは。大人数の目で見ると見つかり方が違う」と驚きの声を上げた。
集まったゴミを玄関前で分別した児童らは「燃えないゴミの多さに驚いた」「たくさんゴミが落ちていたので、自分は捨てないようにしたい」などと活動を振り返った。
はっぴーすマンが「たばこの吸い殻など大人が捨てたゴミが多かったのはなぜ」と問われる場面もあり、「子どもの時にダメだと教わったことを忘れてしまう大人が多いのは寂しい。サクラマスが元気に戻ってきてくれるよう、みんなは自分たちの街をずっと大切にしてほしい」と呼び掛けた。
「初任地で担任した教え子が、小学校でのあいさつ運動や、ゴミ拾いなどの社会貢献活動を行っていることに感心した」と話す竹林教頭。「当時描いた絵を見つけて連絡してきてくれたり、そのころの様子を事細かに覚えていてくれたりしたのもうれしく、こうした形で一緒に授業ができたことに感謝したい」と振り返った。
同校は12月にサクラマスの卵を受け入れ、来年5月ごろに校舎北側を流れる永平寺川への稚魚放流を予定する。