NHK福井発地域ドラマ「シューカツ屋」の撮影が現在、福井県内で進んでいる。
福井大(福井市文京3)キャリア支援課をモデルに、就職活動を控えた学生の相談や悩みなどに応える「就活支援員」の活躍を描くハートフルコメディー。「就職の落ちこぼれを1人も出さないこと」をポリシーに奮闘する就活支援室メンバーの日々を、経理課から異動してきた主人公・流川美野里(るかわみのり)を軸に展開する。
同大は国立大学で就職率12年連続トップ(「大学通信」調べ、卒業生1000人以上の大学対象)という実績を持つ。同局制作統括の宮本晶樹さんは「6年前、情報番組『ナビゲーション』でキャリア支援課を紹介したのが企画のきっかけ。局内の若手ディレクターたちの声もあり、福井発地域ドラマのテーマとすることにした」と話す。
同局制作の地域ドラマは2013(平成25)年の「恐竜せんせい」に続き2作目。撮影は9月25日に始まり、福井駅前、足羽(あすわ)河原、ふくい園芸カレッジ(あわら市)など、10月上旬ごろまでオールロケを行っている。9月30日には同大文京キャンパスで取材会があり、主人公役の水川あさみさん、同僚役の田上晃吉さん、就活支援室長役の橋本じゅんさん、就活生役の上川周作さん、篠田諒さん、白石聖さんらが顔をそろえた。
この日の撮影はキャンパス内の総合研究棟Iで行われ、水川さんらが物語前半のシーンに臨んだ。普段オープンスペースとして使われている場所に特設セットが組まれ、出演者たちは立ち位置やせりふ回しなどを一つ一つ確かめながら撮影を進めた。
水川さんの来福は2011(平成23)年、NHKの旅番組「鶴瓶の家族に乾杯」のロケ以来2回目。「まちの人々が優しく迎え入れてくださったことを覚えている」と福井の印象を振り返り、「就活生3人の群像、彼らに寄り添う人たちの姿、主人公の成長などが丁寧に描かれている。結末から先の展開も想像させる前向きな作品だと感じた」と笑顔を見せた。
取材会では撮影の意気込みについての質問もあり、白石さんは「私自身は就活経験が無いが、初めて訪れる福井の地で本当の学生のようなフレッシュな気持ちで取り組んでいる」と話し、橋本さんは「キャリア支援課のスタッフさんから『うちの課の雰囲気そのまま』とほめていただき、このノリで演技をしていこうと思った」と力を込めた。
同大での撮影では学生ら延べ数百人もエキストラとして参加している。国際地域学部の教員の一人は「キャリア支援課は学生一人一人に丁寧に対応してくれる部署で、ドラマをきっかけに全国の皆さんに人情味あふれる支援課の姿を知ってもらえれば。水川あさみさんの役どころも楽しみ」と期待を寄せる。
キャストには水川さんらのほか、福井出身の津田寛治さん、片山享さん、高橋愛さんらも名を連ね、片山さんは福井言葉の指導も行う。2020年2月26日、NHK BSプレミアムで放送を予定する。