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福井・越前市でまちづくりワークショップ 全国から学生29人、市民対象の発表会も

タンス町通りにある畳店で情報収集する参加者

タンス町通りにある畳店で情報収集する参加者

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 まちづくりに関心を寄せる全国の学生が現在、福井県越前市で「シャレットワークショップ」に取り組んでいる。

参加者は4班に分かれ、「まちあるきルートマップ」を手に市中心部を歩いた

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 来月、金沢市で行われる日本建築学会大会[北陸]の一環で、同学会の住まい・まちづくり支援建築会議 教育・普及部会が主催。同部会は毎年エリア持ち回りで同様のワークショップを行っており、福井での開催は2010(平成22)年の大野市以来2回目。シャレットワークショップとは、専門家・大学・学生が地域住民らと連携し、新しいビジョンの実現に至る議論のきっかけを短期集中型でつくる手法。

 通算15回目となる今回は、北陸、関東、東北、関西、中国、九州などから、建築、都市計画、地域デザインなどを研究する大学生や大学院生計29人が参加。「越前市武生のまちづくりデザインを考える」というテーマで、2023年春予定の北陸新幹線南越駅開業も見据えた越前市のまちづくりの在り方をグループワークでまとめる。

 ワークショップは8月28日に始まり、冒頭のガイダンスに続き、福井大(福井市文京3)の野嶋慎二教授が越前市の歴史や地理の概要などを紹介した。参加者はその後、市職員の案内で武生中央公園、タンス町通り、蔵の辻、京町など市中心部を約2時間かけて歩き、目に留まった建造物などを写真に収めた。

 事務局スタッフで、NPO法人まちづくりデザインサポート(東京都世田谷区)の高橋潤さんは「学年や大学の枠を超えたネットワークができ、大学教員、公務員、コンサルタントなど専門家の道を歩んでいる修了生もいる」と開催の意義を強調。ワークショップをきっかけに事業化へ発展した松の湯交流館(青森県黒石市)のような事例もあると話す。

 ワークショップは9月2日までの日程で、行政関係者によるレクチャー、ディスカッション、模型制作などのプログラムを展開し、地元市民との意見交換の場として発表会も設ける。参加者の1人は「大学で建築意匠を研究しており、意匠と密接に関わりのある町並みの読み解き方を習得できれば」と意欲を見せる。

 発表会の日時と会場は以下の通り。中間発表会=8月30日15時、越前市労働福祉会館(越前市中央2)。最終発表会=9月1日14時30分、アル・プラザ武生(越前市府中1)4階 越前市福祉健康センター。いずれも入場無料。

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