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風船が運んだ願い、福井と松江つなぐ 住みます芸人ら「令和初仕事」で当時の新聞配達

松江市津田公民館で行われた贈呈式の様子

松江市津田公民館で行われた贈呈式の様子

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 福井県おおい町にある「松江・名田庄風船が結ぶ会」が5月1日、1985(昭和60)年の新聞記事などを納めた額を松江市津田公民館に届けた。

松江城でカメラに収まるこにおさん(左)、奥村さん(右)。奥村さんは「島根と福井とは北前船などで歴史上のつながりがある地域同士。福井とのつながりがどんどん発見されるのがうれしく、同期で同郷のこにおと共に、島根、福井の良さを互いに広めていけたら」と話す

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 会の名称にある「風船」は1985(昭和60)年9月、同館近くにある松江市津田小学校の児童が飛ばした300個の交通安全標語風船。

 改元に当たり、おおい町在住の運転手・中野英二さんが昭和から平成の地元の出来事を調べたところ、風船4個が同町に飛来したことを報じる地元紙の記事を偶然発見した。中野さんは名田庄公民館に呼び掛け、当時の新聞記事を元に作った額を松江市に届けるプロジェクトを立ち上げた。

 中野さんと交流のある、福井県「よしもと住みます芸人」の「飯めしあがれこにお」さん(同町出身)もプロジェクトに参画。「平成から令和に掛けて行うという一生に一度しかできない経験。私自身が平成元年生まれというのも何かの縁で、地域間の交流に役立つことができれば」とメッセンジャー役を買って出た。

 額には、当時の新聞記事の切り抜きや、「みんなでやめよう二人乗り」「あせるなよ 夕ぐれの道 危険だよ」など風船に記された標語を短冊状にして納めた。中野さんとこにおさんは4月30日夜に松江入りし、5月1日午前に津田公民館で行われた贈呈式に臨んだ。

 こにおさんは「公民館長、小学校の校長先生、地元マスコミの方など、想像したよりも多くの方が出迎えてくださった」と振り返り、中野さんは式典後の交通安全協会関係者との懇談で「風船を発見したという方から(電話や手紙などでなく)直接訪問を受けたのは初めて」というやり取りがあったことを明かした。

 「令和初仕事」を終えたこにおさんらは松江城に移動し、島根県住みます芸人の奥村隼也さん(福井県小浜市出身)とも交流した。こにおさんは「昭和の松江の子どもたちの思いを無事届けることができた。福井を盛り上げ、地域と地域をつなぐ住みます芸人として、こうしたイベントの話があれば、また参加したい」と抱負を語った。

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