福井市にある反射素材製造販売「丸仁」(福井市花堂中2)が2月8日、新ブランド「LIGHT FORCE STORE」を発表した。
背裾のタグも反射仕様。車のヘッドライトなどで照らされることで、50メートル先でも光って見えるという
1984(昭和59)年設立の同社が手掛ける、衣料品向け反射材製造技術を生かしたTシャツブランド。商品には、カメラやスマホなどのフラッシュ光を当てることで柄や文字が浮かび上がる「再帰性反射」の特殊プリントを施した。日本反射材普及協会(東京都千代田区)認定基準に準じる反射性能も備える。
雨森研悟専務は「反射材を使ったおしゃれなキーホルダーを、女子高生がリュックにぶら下げていたのを見掛けたのがきっかけ」。夜間の交通事故防止につながる反射材グッズの普及に弾みを付けたいと、「反射するしないにかかわらず『着てみたい』と思ってもらえるようなデザイン性を盛り込んだ商品」の企画に踏み切った。
開発には、デザイン制作会社「GOOD MORNING」のほか、福井文化服装学院(以上、福井市)、文化服装学院(東京都渋谷区)、神戸芸術工科大(神戸市西区)、東筑紫短大(北九州市小倉北区)の学生らも参画した。
再帰性反射の性質を生かした、新たなコミュニケーションツールとしても提案する。「例えば、隠しメッセージをプリントしたTシャツをプレゼントして、相手がフラッシュ撮影で読み取るというシーンが考えられる。写真映えするサプライズになるのでは」と雨森専務。
デザインのブラッシュアップなどに充てるため、クラウドファンディングサイトで寄付を募る。コースは2,980円~2万9,800円の8種。返礼品として、寄付者の手書きイラストなどをプリントしたTシャツ、家族向けのTシャツ3枚セット、スポーツチームなどに向けた10枚セットなどを設ける。目標額は30万円。
警察庁の調べによると、夜間の反射材着用で歩行者を認識できる距離が2倍以上になる一方で、交通事故被害者の8割は反射材未着用という。雨森専務は「反射加工が施されている衣料品はまだまだ日常生活に浸透していない。当ブランドが一つの契機となり、一人でも多くの方が無事に楽しく生活できる社会になれば」と話す。
寄付受け付けは、3月12日23時まで。4月から通信販売も予定する。