福井鉄道市役所前電停付近で現在、軌道敷改修とホームの移設工事が進んでいる。
同電停ホーム完成予想図。壁面への光触媒技術導入と強化ガラスの採用で「きれいな景観を保てるように工夫した」という
同社が2009年から10年計画で進める鉄道事業再構築事業の一環。福井市中心部を南北に貫く通称「フェニックス通り」大名町交差点付近にある同電停について、1950(昭和25)年の開業時以来という軌道敷の抜本的改修と上り(越前武生方面)ホームの移設を行う。
軌道敷改修では敷石を一時的に撤去し、木製枕木のPC(プレストレスト・コンクリート)化や、枕木を支える砂利である「バラスト」の入れ替えなどを行う。同社鉄道部の澤崎幸夫さんは「車道ギリギリのスペースで工事を行っており、小型重機を導入するなど渋滞の原因をできるだけ作らないように作業を進めている」と話す。
上りホームは北方に移設し、下りホームと完全相対式の2面2線構造とする。各ホームとも長さ35メートル、幅2メートル。ホームには「(同社新型車両の)『フクラム』最前部ドア~最後部ドア間をカバーする」長さ25メートルの上屋を設け、雨天時などの利便性向上を図る。移設に伴い大名町地下道との連絡口は撤去される。
2018年の「福井しあわせ元気国体・大会」や、2022年度末予定の北陸新幹線敦賀開業などを見据え「ホーム案内表示システム」も導入する。「電光掲示板と音声を組み合わせ到着する列車の行き先と経由駅を案内する。えちぜん鉄道への直通列車も含め各方面への列車が発着するため、初めてご利用の方などが乗り間違えを避けられるようにシステム導入を決めた」
ホーム移設により上下ホームとも同通りの横断歩道とバリアフリーで直結することになる。澤崎さんは「市役所前電停は各方面への結節点となる当社で一番乗降客の多い電停。えちぜん鉄道との相互乗り入れで増加傾向にある乗客数に弾みをつけるきっかけに」と期待を寄せる。
ホームは2017年末完成予定。