福井県鯖江市で9月13日、花火大会「さばえ秋HANABI(はなび)」が開かれた。
同市内の有定橋近くに設けられた会場には市内外から約6000人が来場。同運営委員会に寄せられた76人のメッセージが1つずつ特設スクリーンに映し出され、メッセージの読み上げとともに花火が打ち上げられた。家族や恋人への熱いメッセージに続いて花火が上がるたび拍手が響き、「一生そばにいよう」というプロポーズの言葉で会場が大きく沸く一幕もあった。
同イベントは2007年から行われ、今年は有志による同委員会が運営に当たったが、同委員会立ち上げ当初から開催資金の確保が難関として立ちはだかった。そこで鯖江市が運営するクラウドファンディングサイト「FAAVO(ファーボ)さばえ」で支援者を募ることにし、目標額を50万円に設定した。
目標に達するまで開催が危ぶまれ、同委員長の吉田貴三郎さんは「週ごとのノルマを自分に課して、メンバーと顔を合わせるたび成果を伝え、折れそうなモチベーションを何とか保った。本当に不安だらけだった」と話す。5月1日開始のクラウドファンディングで最終的に46人から計52万円の支援を受け、企業などからの協賛金も得られたことから、昨年同様約2000発の花火打ち上げにこぎ着けられたという。
開催費用を確保できた後も、警備配置場所の変更や地元住民からの理解といった課題が浮上し、吉田さんは「疑問に感じたことは自転車で一つ一つ現場を回って調べた。新たに警備が必要な場所を見つけられたのは、住民目線でイベントの準備を進めていったからかも」と振り返る。
「お昼に開催を告げる花火が上がった時には、大会を開催できるというこの上ないワクワク感に鳥肌が立った。一人の市民がまちを巻き込んでいけたことに感謝しています」と吉田さん。「開催までのつらさが吹き飛ぶ感動があった。来年はさらに多くのメッセージを寄せてもらい、もっと多くの方に楽しんでもらえるイベントに」と意欲を燃やす。