鉄道会社「ハピラインふくい」が3月16日、開業した。
同社は北陸新幹線延伸開業に合わせて旅客営業を始めた第三セクターの並行在来線会社。JR西日本から移管された北陸本線の敦賀~大聖寺間約84キロを運行し、IRいしかわ鉄道との相互直通運転も行う。
使用する車両は、JR西日本から引き継いだ521系電車16編成32両。車体デザインはロゴ色のピンクとグリーンを基調にした配色で、前面から側面にかけて伸びる2色の帯、ロゴに用いたひし形を組み合わせ花びら状の模様などで構成する。
福井駅で開業式典が行われ、小川俊昭社長、斉藤鉄夫国土交通相、杉本達治福井県知事ら関係者が出席。テープカットやくす玉開披で開業を祝った。
式典後、インタビューに応じた小川社長は「5時21分に一番列車を送り出した喜びとともに、JR西日本から受け継いだ北陸線を運行することの使命感に身が引き締まる思いがする。お客さまに寄り添ったサービスに務め、県民に信頼され愛される鉄道会社にしていく」と決意を新たにした。
開業に合わせ、恐竜をモチーフにした絵柄をあしらったICカード切符「ICOCA(イコカ)」オリジナルデザイン版、同社18駅の硬券入場券をまとめた開業記念入場券セットなどの販売が始まり、熱心な鉄道ファンや家族連れなどが買い求める姿が見られた。
福井市在住という50代の男性は、「オリジナルICOCAの発売を楽しみにしていて、営業初日に買うと決めていた。ハピラインふくいでしか買えない絵柄なので、福井を訪れる鉄道好きや恐竜好きの人たちに旅行の土産として薦めたい」と話す。
運行本数は移管前から29本増の131本。敦賀~福井間を約40分で結ぶ快速列車の新設、昼間時のパターンダイヤ導入、福井発最終列車の出発時刻繰り下げなどで利用客の利便性を高めた。王子保~武生間の「しきぶ駅」(2025年春開業予定)など、新駅開業の準備も進める。