福井県越前市在住の画家・三田村和男さんが手掛ける絵画レンタル事業が好評だ。
着物帯の図案家から画家に転身した三田村さん。「誰かが描きそうな絵は描かない」がポリシーという
三田村さんは1943(昭和18)年同市生まれ。武生高卒業後、銀行員時代に京都YMCA(京都市)での絵画講座受講を機に美術の道に進んだ。福井県立歴史博物館(福井市大宮2)エントランス壁画など公共施設の作品収蔵、「サロン・ドートンヌ」展(仏)など海外での入賞歴・発表歴も多い。
同事業は「潤いと安らぎのある空間を自身の作品で演出したい」と2013年6月に開始。作品選択は三田村さんの「お任せ」で、年間12点レンタルのAコース(月6,000円)、同6点のBコース(月5,000円)の2通りがある。すでに武生信用金庫本店(越前市)、谷川病院(鯖江市)などでの採用実績があり、三田村さんは「毎月掛け替えに出向く料理屋さんで『お客さんに好評』と褒めてもらえた」と笑顔を見せる。
作品は「独学で技法を編み出した」抽象画がメーン。ガッシュ(=不透明水彩絵の具)とマスキングテープを使った、多色刷りシルク印刷のような鮮やかな作風を特徴とする。「モチーフや思想ありきの作品でなく、浮かんだイメージの赴くままに描く。タイトルも後付けで考えている」
年に50点のペースで新作を描くという三田村さん。「『もう次はないだろう』と思っても、描いた後からどんどんイメージが湧いてくる」。季節感に左右されない作風を心掛けているといい、「絵が変わると気分も高まる。オフィスや応接室など企業活用が増えれば」と期待を寄せる。
問い合わせは三田村さん(waosanta@sky.plala.or.jp)まで。