見る・遊ぶ 学ぶ・知る

福井の養浩館庭園で美術展 地元出身・土屋公雄さん、「超日常」テーマに23点

展示作品より「うつしよの庭」

展示作品より「うつしよの庭」

  • 8

  •  

 福井市の「養浩館庭園」(宝永3)で6月17日、美術展「うつしよの庭」が始まる。

展示作品より「浮流」

[広告]

 同市出身の彫刻家・土屋公雄さんが福井で10年ぶりに開く展覧会。「『あの世』と『この世』を往来する」をテーマに制作した作品23点を、園内にある数寄屋造りの建物に展示する。同園の開園30年を記念し、福井市が企画した。

 土屋さんによると、「うつしよ」とは現世を指し、死後の世界を指す「常世(とこよ)」を鏡のように写した世界という。作品には、コケ、鏡、ブロンズ、天然石などの素材を盛り込み、庭園、池、建物などの空間的広がりと共に、2つの世界を結ぶ「超日常」を体感できるようにした。

 土屋さんはかねて、「所在/記憶」をテーマに創作を行い、解体した家屋の廃材や炭などを作品に取り入れてきた。同展の展示作「浮流」も廃材を生かしたインスタレーションで、園内の建物を改装した際のこけらぶき屋根廃材を水流のように再構成した。

 関連イベントとして、土屋さんのギャラリートーク(6月17日、7月1日・16日)、京都国立近代美術館長の福永治さん、福井市美術館長の石堂裕昭さん、土屋さんによる講演会&トーク(7月2日)、県内茶道団体による「渓山名月の茶会」(6月18日、7月2日)などを行う。

 同園は福井藩主松平家の別邸で、1945(昭和20)年の福井空襲で焼失した後、1993(平成5)年に復元された国指定の名勝。米庭園専門誌「数寄屋・リビング・マガジン」が発表する日本庭園ランキングで、2022年、5位にランクインした。

 開園時間は9時~19時。入園料は220円。7月17日まで。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース