福井鉄道の新型車両「F2000形」が3月27日、営業運転を始める。
「FUKURAM LINER(フクラムライナー)」と名付けられた3車体連接形の次世代型路面電車(LRV)。長さ21.4メートル、幅2.6メートル、高さ3.83メートル。定員は115人で、座席数は43席。外観は直線を基調としたデザインで、福井の青空や緑の大地などを表現する色使いとした。
「FUKURAM(フクラム)」の愛称で親しまれるF1000形と同じく、出入り口はステップのないバリアフリー仕様。座席の一部を跳ね上げ式とし、車椅子スペースとして使えるように設計した。車内には、越前がにや鯖江市西山動物園のレッサーパンダなどをモチーフにしたつり革、同社で初導入というデジタルサイネージなども設け、地域住民や観光客などに福井の魅力をPRする。
シートの布地には、総合繊維メーカー「セーレン」(福井市毛矢1)のデジタルプリント技術「ビスコテックス」を採用した。デザインは沿線の水田や日野川などの水資源をモチーフに、水の流れをイメージさせるブルー調の色柄でまとめた。
2月25日、同社車両工場で記者発表があり、村田治夫社長は「2008(平成20)年から経営再建に取り組む当社が、15年という節目の年に新型車を導入できることは喜ばしい限り。来春には越前市内に北陸新幹線の越前たけふ駅も開業する。新幹線延伸を弾みに、新型車を含めた当社の魅力を全国に発信していきたい」と話した。
営業運転は、たけふ新~田原町と福井城址大名町~福井駅の通称「ヒゲ線」区間でスタートし、4月上旬ごろ、えちぜん鉄道への乗り入れも始める。