12月24日・25日、福井駅西のハピリンホール(福井市中央1、TEL 0776-20-2901)で舞台「雨の夏、三十人のジュリエットが還(かえ)ってきた」が上演される。
戦前福井の「だるま屋少女歌劇」をモデルにしたとされる同作。故清水邦夫さんが脚本を、故蜷川幸雄さんが演出を、それぞれ手がけ、1982(昭和57)年に初上演された。日本海側の地方都市にある百貨店でつくられた「石楠花(しゃくなげ)少女歌劇団」を舞台に、空襲での同団消失から30年後の出来事がファンタジー仕立てで展開される。
福井での上演は、中心市街地での文化振興を図る目的でタウンマネジメント機関「まちづくり福井」(同)が主催。上演に当たっては一般市民に出演を呼びかける「市民劇」とし、福井・石川両県から29人がオーディションで選ばれた。
23日夜は同ホールでゲネプロを行い、出演者は約半年にわたる稽古の仕上げに熱を込めた。福井を拠点に活動する劇団「演衆やむなし」の演出家で、本作の演出を手がける中埜コウシさんは「全員がそろう機会が少ないなど限られた時間での稽古だったが、みんないい表情で芝居をしてくれた。観客を前にしても堂々と演じきってくれると確信した」と振り返った。
「だるま屋少女歌劇の俳優たちも一般公募で集められたと聞き、市民劇とのリンクを感じている」とも。だるま屋少女歌劇が市民の娯楽として人気を博した時代に思いをはせ、「当時の福井の人々が少女歌劇で元気づけられたように、『雨の夏』も福井の人たちの暮らしの糧として貢献できれば」と期待を込める。
開演は、24日=13時30分、18時、25日=10時30分、15時。各回とも当日券を若干枚販売する(先着順)。料金は、一般=3,000円、高校生以下=1,000円。