福井市に10月8日、ライフスタイルショップ「h+LAB.(エイチプラス・ラボ)」(石盛町、TEL 0776-56-2260)がオープンした。
同店がある「h+BASE」。同社のオフィスや集合住宅なども入居する
9月下旬、同地に新築移転した建築設計事務所「h+ARCHITECTS(エイチプラス・アーキテクツ)」などを運営する「hplus(エイチプラス)」(同)が手がける木造2階建て複合施設「h+BASE(エイチプラス・ベース)」内の店舗で、設計から完成まで約1年半かけて準備を進めた。
店舗面積は約16坪。店内には、「アップデート・ふくいライフ」「アップデート・ローカルライフ」をテーマにセレクトした家具や生活小物などの商品が並ぶ。福井で産出される笏谷石(しゃくだにいし)文化を後世に伝える同社の取り組み「笏谷石バンク」で生まれた雑貨類も展開する。
社長で一級建築士の伊藤瑞貴さんによると、複合施設の完成は6年越しのプロジェクトだという。市内にあるビルのオーナーからリノベーションの相談を受け、カフェやシェアオフィスなどが入居するプランを提案したものの頓挫。それでも諦め切れず、プランを温め続けていた。
転機が訪れたのは2020年の春先。何気なく車を走らせた先で、売りに出されている土地を見かけた。「新婚時代に住んでいたことのある親しみのあるエリアで、目の前に公園があるロケーションが気に入った。角地という条件も良く、以前から事務所移転を考えてもいたことから複合施設の建設を決めた」と振り返る。
店には建築関連の書籍などを閲覧できる書棚、キッチン、バーベキュー用のたき火台なども備える。オープンに先立って開いた内覧会では2日間で約100組が訪れたといい、伊藤さんはイベント用途の展開も見据える。「詳細は今後詰めていくが、当店のコンセプトに合うようなイベントを企画している方に活用してもらえれば」
好きな建築家の一人にフィンランドのアルヴァ・アアルトを挙げる伊藤さん。「フィンランドは地勢的に比較的細い樹木の多い国だが、地域のネガティブ要素をポジティブに転換し特徴あるデザインの建築や家具が多く生まれた。暮らしを豊かにできる要素がたくさんあるのは福井も同様で、田舎でしかできない家づくりやライフスタイルを提案していければ」と話す。
営業時間は10時~17時。